サマリー
◆2023年7-9月期のGDP1次速報の公表を受け、経済見通しを改訂した。メインシナリオにおける実質GDP成長率は2023年度+1.7%、2024年度+1.3%(暦年ベースでは2023年+1.8%、2024年+1.5%)と見込む。
◆「成長のゲタ」を除いた2024年度の実質GDP成長率は前年比+0.7%であり、経済活動の正常化の一巡もあって緩やかな景気回復を見込む。2024年春闘での賃上げ率が前年並みかそれを上回ることや、シリコンサイクルの回復局面入り、政府の経済対策などが景気を下支えするだろう。生鮮食品を除く総合ベースの消費者物価指数(コアCPI)は、2023年度で前年比+2.8%、2024年度で同+2.8%と見込んでいる。価格転嫁の更なる進展などを踏まえ、前回予測から物価見通しを引き上げた。
◆2024年春闘での賃上げ率がある程度判明する2024年4月の金融政策決定会合で、日本銀行(日銀)は長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)の撤廃とマイナス金利政策の解除に踏み切ると想定している。ゼロ金利政策に移行し、緩和的な金融環境は当面維持されるだろう。その後、日銀は経済・物価情勢を注視しつつ、緩和の度合いを段階的に縮小させていくとみている(2024年10-12月期に0.25%の利上げを想定)。
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