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日本経済見通し:2022年4月

資源高と「悪い円安」が重石に/日米で異なるインフレの特徴

2022年04月21日

経済調査部 シニアエコノミスト 神田 慶司

経済調査部 シニアエコノミスト 久後 翔太郎

経済調査部 エコノミスト 小林 若葉

経済調査部 研究員 瀬戸 佑基

サマリー

◆これまでに公表された統計データなどから推計すると、2022年1-3月期の実質GDP成長率は前期比年率▲0.6%とみられる。4-6月期は経済活動の正常化が進み、自動車の供給制約が小幅に緩和されるとの想定のもと、同+6.6%と見込んでいる。資源高と円安は日本経済の重石となるだろう。足元で進む円安は、ウクライナ情勢の緊迫化と新型コロナウイルス感染拡大でプラスの効果が発現しにくくなっているため、マイナスの影響がプラスのそれを上回る「悪い円安」といえる。

◆コアCPI上昇率はピーク時でも前年比+2%程度にとどまり、2023年1-3月期にかけて小幅に減速する見込みである。日本は資源高に脆弱な経済構造で、賃金面からの物価上昇圧力が弱い。マイナスの需給ギャップのもとで物価が上昇しており、典型的なコストプッシュ型のインフレといえる。一方、米国のインフレはディマンドプルの側面も大きい。資源高は海外からの所得流入をもたらし、賃金面からの物価上昇圧力は感染拡大後に一段と高まった。期待インフレ率の上昇と需要の過熱を抑制する必要性が大きい状況にある。

◆日米のインフレの特徴を踏まえると、日本銀行は現在の金融緩和策を継続し、FRBは金融引き締めを積極化する必要がある。日米金融政策の方向性の違いが円安ドル高圧力をもたらす構図は当面の間は続きそうだ。米国経済にとってドル高はインフレを抑制する点で歓迎されやすい半面、日本経済にとっての円安は悪影響を及ぼしやすい。為替レートの変動が両国経済にもたらす影響には引き続き注意が必要だ。

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