サマリー
- ①今後10年間の世界経済(P.2~)
世界経済の平均成長率は3.1%を見込む。当面は、米国の独り勝ちの様相だが、米景気自体も成熟化している。世界経済にとって、トランプ大統領の政策運営は、引き続きリスク要因となろう。米中の対立構造は長期化する公算が大きい。中国は構造改革よりも、短期的な景気対策を重視する姿勢を見せており、急減速回避がメインシナリオである。 - ② 日本経済見通し(P.12~)
今後10年間の平均成長率を、名目1.6%、実質0.9%と予測する。予測期間前半では、±の材料が交錯するが、後半は働き方改革の成果も徐々に表れ、民需が緩やかに成長していく。また、後半にかけて、物価上昇率が1%で安定するタイミングで、日銀の金融政策の修正が進み、金利上昇を見込む。予測期間中は、緩やかな円高トレンドを想定。 - ③残業規制で深刻化する人手不足と労働供給の伸びしろ(P.19~)
残業規制の対象となる労働時間は月2.6億時間に上る。一般に、労働供給の伸びしろとして注目されやすいのは失業者や非労働力人口だが、実は既に働いている人たちの伸びしろの方が大きい。建設業や運輸・郵便業では、処遇改善や柔軟な働き方を可能にする職場環境の整備だけでなく、労働生産性向上の取り組みが欠かせないだろう。 - ④外国人労働者受け入れの影響(P.26~)
外国人労働者比率1%pt上昇で、男性の実質賃金は0.6%程度押し上げられる可能性がある。また外国人労働者10万人の増加で、製造業の労働生産性は0.25%上昇すると推計される。中長期的には、外国人労働者の受け入れで日本人労働者の就業条件は向上しうるが、日本人への職業訓練や外国人の社会統合政策なども必要。 - ⑤財政・社会保障見通しと財政再建の課題(P.34~)
PBは2025年度でGDP比▲2.6%の見込み。2017年度に106兆円だった社会保障給付費は2040年度に135兆円(物価調整後)へ増加すると見込まれ、医療・介護が寄与。2025年度のPB黒字化目標を着実に達成するためには、給付の適正化・重点化や、年齢でなく負担能力に応じた負担の徹底、給付範囲・割合の見直しを進める必要がある。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
主要国経済Outlook 2026年5月号(No.474)
経済見通し:世界、日本、米国、欧州、中国
2026年04月22日
-
中東情勢次第ではグローバル・スタグフレーションの様相も
2026年04月22日
-
日本経済見通し(2026年4月)
中東情勢緊迫による景気下振れリスク上昇で4月利上げは見送りか
2026年04月21日
最新のレポート・コラム
-
上場オーナー企業と公開買付制度・大量保有報告制度の見直し
2026年5月1日に大量保有報告書等の提出義務が発生する場合も
2026年05月15日
-
デジタルアイデンティティ・デジタルクレデンシャルをめぐる取組みと実装技術の論点整理(第1部)
デジタルアイデンティティの基本像と、EUDIウォレットにみる制度化・実装動向
2026年05月14日
-
熊谷亮丸の経済・金融 Foresight 何故、わが国では潜在成長率が低迷しているのか?
高市政権は成長戦略を強化する方針だが、①労働、②資本、③TFP(全要素生産性)という3つの要素をバランス良く底上げする必要
2026年05月13日
-
AIが変える議決権行使助言業
中立性・客観性確保のための利用を訴求へ
2026年05月13日
-
まちづくりと書いてチームビルディングと読む
2026年05月18日
よく読まれているリサーチレポート
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
いまさら人には聞けない 大量保有報告(5%ルール)のQ&A 【改訂版】
2024年金商法等改正法(2026年5月1日適用開始)を反映
2026年04月03日
-
検討進むガバナンス・コード改訂:2月案と4月案の相違点は
「解釈指針」は原則と一体という記述は削除。現預金への注目を避ける修文。
2026年04月10日
-
企業が意識すべきCGコード改訂案のインプリケーション
「金融資産」「実物資産」がコードに入った意味
2026年04月16日
-
日本経済見通し(2026年4月)
中東情勢緊迫による景気下振れリスク上昇で4月利上げは見送りか
2026年04月21日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
いまさら人には聞けない 大量保有報告(5%ルール)のQ&A 【改訂版】
2024年金商法等改正法(2026年5月1日適用開始)を反映
2026年04月03日
検討進むガバナンス・コード改訂:2月案と4月案の相違点は
「解釈指針」は原則と一体という記述は削除。現預金への注目を避ける修文。
2026年04月10日
企業が意識すべきCGコード改訂案のインプリケーション
「金融資産」「実物資産」がコードに入った意味
2026年04月16日
日本経済見通し(2026年4月)
中東情勢緊迫による景気下振れリスク上昇で4月利上げは見送りか
2026年04月21日

