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日本経済中期予測(2018年2月)解説資料

~人手不足は生産性を上げる好機となるか~

2018年03月09日

経済調査部 シニアエコノミスト 近藤 智也

経済調査部 主任研究員 溝端 幹雄

サマリー

  • ①今後10年間の世界経済
    世界経済の平均成長率は3.2%を見込む。前半は先進国が牽引し、後半は緩やかに鈍化しつつも、安定成長を辿る。世界経済のリスクは引き続き米国であり、トランプ大統領の政策は、プラスにもマイナスにもなりうる。Fedは緩やかなペースで引締めを続けるとみられるが、短期的には利上げペースが加速する可能性もあり、長期金利の上昇には留意。
  • ② 日本経済の見通し
    今後10年間(2018~2027年度)の成長率を、年率平均で名目1.6%、実質1.0%と予測する。予測期間前半では、±の材料が交錯するが、後半は働き方改革の成果も表れて、民間需要が牽引する形で緩やかに成長していく。物価上昇率は緩やかに加速するが、日銀のインフレ目標の達成は困難であり、積極的な緩和姿勢を大きくは変えられない。
  • ③為替レートの見通し
    日米の金利差拡大は円安圧力だが、トランプ政権など様々なリスクオフ要因によって円高の場面もあろう。予測期間後半にかけて円高方向に振れると想定するが、上昇幅は限定的であろう。
  • ④ 生産性の見通し
    少子高齢化が進む日本では生産年齢人口の減少が今後も経済成長の重石に。持続的な成長の実現には、労働生産性を向上させるべく、TFP(全要素生産性)や人的資本の一層の向上が重要。市場での新陳代謝や企業規模の拡大、リカレント教育などを促す経済・社会制度の構築、制度・政策間のインセンティブ構造の整合性を図る必要。
  • ⑤ 地域経済の見通し
    地方の賃上げにも、各地域の労働生産性の引き上げは最重要課題。西日本では医療,福祉が労働生産性の伸び率のマイナス要因に。同一産業内でも事業規模による地域間格差が大きい。地方で多い建設業や卸売業,小売業は労働生産性の低い小・中規模事業所へ人材が滞留しやすい。比較優位分野を強化しつつ、地方でも競争やM&Aを促すビジネス環境、高度人材の地域間交流や地域の大学と企業・自治体との連携、人口を集積させる政策などが重要だ。

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