サマリー
◆日本経済のメインシナリオ:2014年10-12月期GDP二次速報の発表を受けて、経済見通しを改訂した。改訂後の実質GDP予想は2014年度が前年度比▲1.0%(前回:同▲0.9%)、2015年度が同+1.9%(同:同+1.9%)、2016年度が同+1.8%(同:同+1.8%)である(→詳細は、熊谷亮丸他「第184回 日本経済予測(改訂版)」(2015年3月9日)参照)。当社が従来から指摘してきた通り、日本経済は、2014年1月をピークに景気後退局面入りしたとみられるものの、景気後退は同年8月前後までの極めて短い期間で終了した可能性が高い。今後の日本経済は、①アベノミクスによる好循環が継続すること、②米国向けを中心に輸出が緩やかに持ち直すことなどから、緩やかな回復軌道をたどる見通しである。
◆設備投資の国内回帰は起きるのか?:今回レポートでは「設備投資の国内回帰は起きるのか?」という論点について検証した。近年の円安進行を背景に、製造業の一部において、国内回帰の動きが大きく報道されている。海外設備投資比率を回帰式によって推計すると、2014年度以降低下に転じると予想される。また、企業に対するアンケート調査の結果を見ても、製造業は2014年度に海外設備投資を減少させる計画となっている。今後はアベノミクスの効果が徐々に顕在化する中で、過去の円高進行により行き過ぎた海外設備投資の国内回帰が進むとみられる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
第184回日本経済予測(改訂版)
日本経済に関する3つの論点を検証する~①原油安の影響、②設備投資の国内回帰、③ユーロ圏の日本化~
2015年03月09日
-
最近の国内回帰の動きと今後の展望
2012年秋以降の円安進行の効果が一部で顕在化
2015年03月16日
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2024年2月
2025年度にかけて1%前後のプラス成長と2%インフレを見込む
2024年02月22日
-
ビットコイン現物ETF、日本で組成可能か?
米SEC承認を受けて、日本で導入することの法制度上の是非を考察
2024年02月13日
-
第220回日本経済予測(改訂版)
賃上げの持続力と金融政策正常化の行方①自然利子率の引き上げ、②投資と実質賃金の好循環、を検証
2024年03月11日
-
日本経済見通し:2024年3月
24年の春闘賃上げ率5%超えを受け、日銀はマイナス金利政策を解除
2024年03月22日
-
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日
日本経済見通し:2024年2月
2025年度にかけて1%前後のプラス成長と2%インフレを見込む
2024年02月22日
ビットコイン現物ETF、日本で組成可能か?
米SEC承認を受けて、日本で導入することの法制度上の是非を考察
2024年02月13日
第220回日本経済予測(改訂版)
賃上げの持続力と金融政策正常化の行方①自然利子率の引き上げ、②投資と実質賃金の好循環、を検証
2024年03月11日
日本経済見通し:2024年3月
24年の春闘賃上げ率5%超えを受け、日銀はマイナス金利政策を解除
2024年03月22日
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日