日本経済見通し:設備投資の国内回帰は起きるのか?

アベノミクスによる好循環が日本経済を下支え

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2015年03月20日

  • 調査本部 副理事長 兼 専務取締役 調査本部長 チーフエコノミスト 熊谷 亮丸
  • 金融調査部 主任研究員 長内 智
  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦
  • 経済調査部 シニアエコノミスト 久後 翔太郎
  • 永井 寛之

サマリー

日本経済のメインシナリオ:2014年10-12月期GDP二次速報の発表を受けて、経済見通しを改訂した。改訂後の実質GDP予想は2014年度が前年度比▲1.0%(前回:同▲0.9%)、2015年度が同+1.9%(同:同+1.9%)、2016年度が同+1.8%(同:同+1.8%)である(→詳細は、熊谷亮丸他「第184回 日本経済予測(改訂版)」(2015年3月9日)参照)。当社が従来から指摘してきた通り、日本経済は、2014年1月をピークに景気後退局面入りしたとみられるものの、景気後退は同年8月前後までの極めて短い期間で終了した可能性が高い。今後の日本経済は、①アベノミクスによる好循環が継続すること、②米国向けを中心に輸出が緩やかに持ち直すことなどから、緩やかな回復軌道をたどる見通しである。


設備投資の国内回帰は起きるのか?:今回レポートでは「設備投資の国内回帰は起きるのか?」という論点について検証した。近年の円安進行を背景に、製造業の一部において、国内回帰の動きが大きく報道されている。海外設備投資比率を回帰式によって推計すると、2014年度以降低下に転じると予想される。また、企業に対するアンケート調査の結果を見ても、製造業は2014年度に海外設備投資を減少させる計画となっている。今後はアベノミクスの効果が徐々に顕在化する中で、過去の円高進行により行き過ぎた海外設備投資の国内回帰が進むとみられる。

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