サマリー
◆経済見通しを改訂:2014年4-6月期GDP二次速報を受け、経済見通しを改訂した。改訂後の実質GDP予想は2014年度が前年度比+0.7%(前回:同+0.7%)、2015年度が同+1.5%(同:同+1.5%)である(→詳細は、熊谷亮丸他「第182回 日本経済予測(改訂版)」(2014年9月8日)参照)。日本経済は、2014年4-6月期に消費税増税の影響で一時的に低迷したものの、7-9月期以降、緩やかな回復軌道を辿る見通しである。①足下で消費税増税に伴う悪影響がおおむね一巡したとみられること、②米国向けを中心に輸出が徐々に持ち直すことなどが、日本経済の好材料となろう。日本経済のリスク要因としては、①実質所得低迷による個人消費の停滞、②中国の「シャドーバンキング」問題、③地政学的リスクを背景とする原油価格高騰や世界的な株安の進行、④米国の出口戦略に伴う新興国市場の動揺、の4点に留意が必要である。
◆わが国の輸出は持ち直すのか?:今回のレポートでは、わが国の輸出動向について多面的に検証した。米国経済の循環的な回復などを背景に、わが国の輸出は緩やかに持ち直すと予想される。ただし、2013年時点で11.5兆円ある貿易赤字のうち、約7兆円が空洞化、約4兆円が原発停止に伴う輸入増の影響によるものである。こうした構造要因を勘案すると、わが国の貿易収支は当面赤字の状態が続く可能性が高い。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
第222回日本経済予測(改訂版)
不安定化する外部環境の下で日本経済の成長は続くか①米国景気・円高、②金利上昇リスク、③少子化対策、を検証
2024年09月09日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
FOMC 0.50%ptの利下げを決定
利下げ幅の判断に関しては曖昧さが残る
2024年09月19日
-
中国:金融緩和など景気刺激策を発表も効果は?
人民銀行総裁が預金準備率の引き下げ、住宅市場テコ入れ策を「予告」
2024年09月26日
-
超富裕層に税率22.5%のミニマムタックスを導入
「1億円の壁」問題による金融所得一律増税は回避へ
2022年12月22日
第222回日本経済予測(改訂版)
不安定化する外部環境の下で日本経済の成長は続くか①米国景気・円高、②金利上昇リスク、③少子化対策、を検証
2024年09月09日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
FOMC 0.50%ptの利下げを決定
利下げ幅の判断に関しては曖昧さが残る
2024年09月19日
中国:金融緩和など景気刺激策を発表も効果は?
人民銀行総裁が預金準備率の引き下げ、住宅市場テコ入れ策を「予告」
2024年09月26日
超富裕層に税率22.5%のミニマムタックスを導入
「1億円の壁」問題による金融所得一律増税は回避へ
2022年12月22日