サマリー
◆2024年10-12月期の全産業(金融業、保険業除く)の売上高は前年比+2.5%と15四半期連続の増収、経常利益は同+13.5%と2四半期ぶりの増益となった。増益の主因はコストの増加ペースの鈍化だ。季節調整値で見ると、売上高は前期比+0.7%、経常利益は同+12.1%となった。設備投資(ソフトウェア除く)は前年比+3.1%と15四半期連続で増加したが、ソフトウェアを含むベースでは同▲0.2%と軟調だった。キャッシュフローの拡大や設備投資意欲の高さに対し、実際の設備投資の勢いは鈍い。半面、手元資金の温存は2025年春闘における高水準の賃上げを後押しする材料となろう。
◆2025年1-3月期以降の経常利益(季節調整値)は前期比で増加基調が継続するとみている。マクロで見た家計の購買力の改善が継続し、サービス業を中心に企業収益を押し上げよう。また、航空便の増便などによるインバウンド消費の上振れも期待される。他方、最大のリスク要因はトランプ政権の関税措置などによる世界経済の減速だ。設備投資は、企業の設備不足感などを背景に前年比で増加基調が継続するとみている。
◆今回の法人企業統計の結果を受け、2024年10-12月期のGDP2次速報(3月11日公表予定)では実質GDP成長率が前期比年率+2.6%と、1次速報(同+2.8%)から小幅に下方修正されると予想する。
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