サマリー
◆2025年1月23、24日に開催された金融政策決定会合において、日本銀行(日銀)は政策金利を0.50%程度に引き上げることを決定した。米国トランプ新政権の経済政策を巡る不確実性は依然として大きいものの、日銀が企業へのヒアリングなどから賃上げのモメンタムは強いと判断したことが、利上げを後押ししたとみられる。
◆今回の会合で公表された「経済・物価情勢の展望(2025年1月)」では、CPI(除く生鮮食品・エネルギー)の前年比(政策委員見通しの中央値)が、26年度までの間2%を僅かに上回るという見通しが示された。24年10月時点の見通しと比較すると、米価格の上昇や円安の進行による輸入物価の上昇もあって、24・25年度が上方修正されている。
◆金融政策を展望すると、当社では25年7-9月期(メインは7月)に日銀は政策金利を0.75%へと引き上げ、その後は半年に一度程度の緩やかなペースで0.25%ptの追加利上げを行うと想定している。
◆25年の利上げペースを占う上では、とりわけ中小企業の価格転嫁が重要になるとみられる。高水準の賃上げ率が実現すれば、中小企業は労働投入コストの大幅な増加に直面することとなり、過去にも増して販売価格を積極的に引き上げる可能性がある。こうして2%の物価安定目標から上振れする蓋然性が高まれば、当社の想定する25年7-9月期よりも前に利上げが実施され得る。反対に、労働投入コストの増加分を販売価格に十分に転嫁できなければ、物価上昇圧力は大きくは強まらず、利上げが25年10-12月期以降となる可能性がある。
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