サマリー
◆2024年9月の貿易統計によると、輸出金額は前年比▲1.7%と10カ月ぶりに減少した。税関長公示レートが3年半ぶりに前年比で円高となり、輸出価格の伸びが鈍化した。輸出金額の季節調整値は前月比+2.0%と、輸出数量の上振れにより2カ月ぶりに増加した。輸入金額は前年比+2.1%と6カ月連続で増加したが、円高の進行を背景に伸び率は鈍化傾向にある。季節調整値では前月比▲1.2%と2カ月連続で減少した。貿易収支は▲2,943億円と3カ月連続の赤字となった。季節調整値では▲1,872億円と40カ月連続の赤字だったものの、赤字幅は8月から大幅に縮小した。
◆7-9月期の実質GDP成長率における外需寄与度はゼロ近傍を見込む。財は輸出と輸入で数量の伸びが拮抗しており、サービス収支は7月と8月の平均が4-6月平均をわずかに上回るにとどまった。
◆9月の輸出数量は前月比+5.1%と2カ月ぶりに増加した。自動車輸出の回復が加速したほか、半導体等製造装置や集積回路(IC)といった半導体関連財が全体を押し上げた。地域別に見ると、米国向け(同+16.3%)、EU向け(同+7.4%)、アジア向け(同+3.3%)のいずれも増加した。
◆先行きの輸出数量は均して見れば横ばい圏で推移するとみている。自動車の供給制約の緩和による挽回輸出が期待できる一方、米国における緩やかな景気減速を主因に輸出全体は伸び悩む見込みだ。中国向けでは、景気刺激策の効果で日本からの輸出が下支えされるとみている。シリコンサイクル(世界半導体市場に見られる循環)の回復は引き続き輸出の下支え要因となろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
2024年8月貿易統計
台風や円高進行の影響で輸出金額は自動車を中心に下振れ
2024年09月18日
-
2024年7月貿易統計
輸出数量の伸びが物足りず内容も良くない結果に
2024年08月21日
-
2024年6月貿易統計
自動車輸出の回復の遅れなどにより貿易赤字(季節調整値)が拡大
2024年07月18日
同じカテゴリの最新レポート
-
日本の長期金利、2035年に5%台の可能性
2035年に3.5~4.2%程度で、海外保有拡大で1%pt超の上乗せも
2026年10月16日
-
なぜ企業は同じ情報を何度も提出しなければならないのか
公的統計のデジタル化を問う①-負担軽減の「効果」
2026年10月16日
-
2026年8月機械受注
製造業・非製造業(船電除く)のいずれも2カ月ぶりに増加
2026年10月15日
最新のレポート・コラム
-
一括取得型自己株式取得(ASR)入門
ASRに関する基本的な事項をQ&A形式で解説
2026年10月16日
-
「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ」における金融経済教育に関する記述
金融経済教育関連に限ると、大幅な拡充は行われない方向性か
2026年10月16日
-
日本の長期金利、2035年に5%台の可能性
2035年に3.5~4.2%程度で、海外保有拡大で1%pt超の上乗せも
2026年10月16日
-
なぜ企業は同じ情報を何度も提出しなければならないのか
公的統計のデジタル化を問う①-負担軽減の「効果」
2026年10月16日
-
成長投資の先にあるもの ~AI時代に問われる「組織能力」~
2026年10月16日
よく読まれているリサーチレポート
-
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
-
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
-
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
-
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
-
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日

