サマリー
◆2022年は幅広い品目で値上げが行われた1年だった。食料やエネルギーなどの必需品を中心に価格転嫁が急速に進んだことで、日本銀行のアンケート調査によると、家計が体感する物価上昇率は12月にCPI上昇率を大幅に上回る12%超(平均値)へと上昇した。
◆2022年の実質消費支出は物価高の中でも前年から小幅に増加した。ただし、外食を除く食料や光熱・水道といった一部の必需的な費目では消費支出が減少した。品目別に見ると、使用頻度が高い品目や小売物価が大幅に上昇した品目では家計は購入数量を減らし低価格志向を強めた。一方、家計が購入数量を増やした品目や高価格志向を強めた品目も確認された。
◆物価高の主因であった資源高や円安が一服したこともあり、輸入インフレに起因する値上げの波は2023年春で落ち着くとみている。今後の消費行動を考える上で、当面は2023年春闘での賃上げ率が注目される。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
2022年12月全国消費者物価
コアCPIの前年比は4%に到達
2023年01月20日
-
2022年11月消費統計
天候要因や感染「第8波」の影響で実質消費支出は3カ月ぶりに減少
2023年01月10日
同じカテゴリの最新レポート
-
トランプ関税の影響緩和に作用した企業対応
自動車は関税負担吸収で他企業への波及回避/機械は価格転嫁
2025年12月19日
-
2025年11月全国消費者物価
エネルギー価格の伸び率拡大を食料品価格などの伸び率鈍化が相殺
2025年12月19日
-
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年10月
高市・自維連立政権の下で経済成長は加速するか
2025年10月22日
-
非財務情報と企業価値の連関をいかに示すか
定量分析の事例調査で明らかになった課題と今後の期待
2025年11月20日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
第227回日本経済予測
高市新政権が掲げる「強い経済」、実現の鍵は?①実質賃金引き上げ、②給付付き税額控除の在り方、を検証
2025年11月21日
-
グラス・ルイスの議決権行使助言が大変化
標準的な助言基準を廃し、顧客ごとのカスタマイズを徹底
2025年10月31日
日本経済見通し:2025年10月
高市・自維連立政権の下で経済成長は加速するか
2025年10月22日
非財務情報と企業価値の連関をいかに示すか
定量分析の事例調査で明らかになった課題と今後の期待
2025年11月20日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第227回日本経済予測
高市新政権が掲げる「強い経済」、実現の鍵は?①実質賃金引き上げ、②給付付き税額控除の在り方、を検証
2025年11月21日
グラス・ルイスの議決権行使助言が大変化
標準的な助言基準を廃し、顧客ごとのカスタマイズを徹底
2025年10月31日

