サマリー
◆2022年7-9月期の実質GDP成長率は前期比年率▲1.2%(前期比▲0.3%)と、市場予想に反してマイナス成長に転じた。サービス輸入が大幅に増加したことなどが市場予想を大幅に下回った主因である。もっとも、新型コロナウイルス感染「第7波」の中で個人消費は増加基調を維持し、設備投資や輸出も増加したことから、成長率が示すほど内容は悪くない。交易条件の悪化を通じた所得流出額を差し引いた実質GDI成長率は同▲3.9%であり、家計や企業の負担が一段と増加した点には留意が必要だ。
◆10-12月期の実質GDP成長率は前期比年率+5.2%と見込んでいる。サービス輸入の反動減のほか、個人消費や設備投資などが押し上げるだろう。水際対策の大幅緩和によるインバウンド(訪日外客)消費の増加も見込まれる。ただし、足元では感染状況が悪化しており、経済活動の正常化の動きが停滞する可能性がある。また、大幅な利上げが実施されている欧米向けの財輸出において下振れリスクが高まっていることにも注意が必要だ。
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