サマリー
2021年は2020年と同様に新型コロナウイルスに翻弄された1年であった。新規感染者数で見れば2021年のピークの方が2020年より高い国が多い。ただ、ワクチン接種の進展で重症者数や死亡者数は抑制され、経済活動は曲がりなりにも正常化への道筋をたどり、コロナショック前の経済水準を回復(中国、米国)、または回復間近(欧州、日本)となった。2022年もコロナ感染と付き合いつつ、経済正常化を推進することになろうが、2021年までと異なり、金融・財政政策は危機対応モードからの転換を模索すると予想される。米欧の中央銀行はスピードの差はあれ、金融緩和の是正に着手しつつある。一方、財政政策ではまだ各国とも拡張的なスタンスだが、中長期的な成長に資する歳出がより重視されることになろう。もっとも、感染力の高い変異株の登場に加え、インフレ高進や需給ギャップの解消が進まないことなど景気下振れリスクは少なくない。金融・財政政策もより柔軟で機動的な対応が求められることになるだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
2022年の日本経済見通し
+4%成長を見込むも、変異株、米国金利高、中国不動産市場等に警戒
2021年12月21日
-
2022年の米国経済見通し
堅調さ維持がベースシナリオも、不安要素は政策対応余地の少なさ
2021年12月21日
-
2022年の欧州経済見通し
コロナ感染次第の状況が続く中で、金融・財政政策の変化に備える
2021年12月21日
-
中国経済見通し:22年は党大会効果で5.4%に
1年8カ月ぶりの利下げを発表。不動産規制も脱炭素もやりすぎない
2021年12月20日
同じカテゴリの最新レポート
-
企業の賃金設定行動の整理と先行きへの示唆
~生産性に応じた賃金決定の傾向が強まる可能性~『大和総研調査季報』2025年夏季号(Vol.59)掲載
2025年07月24日
-
石破政権の経済政策に求められるもの
『大和総研調査季報』2025年夏季号(Vol.59)掲載
2025年07月24日
-
対日相互関税率は15%で決着へ-実質GDPへの影響は短期で▲0.5%、中期で▲1.2%-
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.2%減少
2025年07月23日
最新のレポート・コラム
-
カーボンクレジット市場の新たな規律と不確実性
VCMI登場後の市場と、企業に求められる戦略の頑健性
2025年07月24日
-
金利上昇下における預金基盤の重要性の高まり
~預金を制するものは金融業界を制す~『大和総研調査季報』2025年夏季号(Vol.59)掲載
2025年07月24日
-
企業の賃金設定行動の整理と先行きへの示唆
~生産性に応じた賃金決定の傾向が強まる可能性~『大和総研調査季報』2025年夏季号(Vol.59)掲載
2025年07月24日
-
ドイツ経済低迷の背景と、低迷脱却に向けた政策転換
『大和総研調査季報』2025年夏季号(Vol.59)掲載
2025年07月24日
-
「外国人優遇」は本当か?データで見る国民健康保険・国民年金の実態
2025年07月25日
よく読まれているリサーチレポート
-
第225回日本経済予測(改訂版)
人口減少下の日本、持続的成長への道筋①成長力強化、②社会保障制度改革、③財政健全化、を検証
2025年06月09日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
「トランプ2.0」、外国企業への「報復課税」?
Section 899(案)、米国に投資する日本企業にもダメージの可能性有
2025年06月13日
-
日本経済見通し:2025年5月
経済見通しを改訂/景気回復を見込むもトランプ関税などに警戒
2025年05月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
第225回日本経済予測(改訂版)
人口減少下の日本、持続的成長への道筋①成長力強化、②社会保障制度改革、③財政健全化、を検証
2025年06月09日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
「トランプ2.0」、外国企業への「報復課税」?
Section 899(案)、米国に投資する日本企業にもダメージの可能性有
2025年06月13日
日本経済見通し:2025年5月
経済見通しを改訂/景気回復を見込むもトランプ関税などに警戒
2025年05月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日