危機対応モードからの転換を模索するウィズコロナ3年目

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2021年12月23日

  • 山崎 加津子

サマリー

2021年は2020年と同様に新型コロナウイルスに翻弄された1年であった。新規感染者数で見れば2021年のピークの方が2020年より高い国が多い。ただ、ワクチン接種の進展で重症者数や死亡者数は抑制され、経済活動は曲がりなりにも正常化への道筋をたどり、コロナショック前の経済水準を回復(中国、米国)、または回復間近(欧州、日本)となった。2022年もコロナ感染と付き合いつつ、経済正常化を推進することになろうが、2021年までと異なり、金融・財政政策は危機対応モードからの転換を模索すると予想される。米欧の中央銀行はスピードの差はあれ、金融緩和の是正に着手しつつある。一方、財政政策ではまだ各国とも拡張的なスタンスだが、中長期的な成長に資する歳出がより重視されることになろう。もっとも、感染力の高い変異株の登場に加え、インフレ高進や需給ギャップの解消が進まないことなど景気下振れリスクは少なくない。金融・財政政策もより柔軟で機動的な対応が求められることになるだろう。

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