4回目の宣言などによる経済損失は5,200億円程度に拡大

東京五輪関連の消費拡大が宣言などによる悪影響を緩和する見込み

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2021年08月02日

  • 経済調査部 シニアエコノミスト 神田 慶司
  • 経済調査部 エコノミスト 小林 若葉

サマリー

◆8月2日、政府は緊急事態宣言の対象地域に4府県を追加し、まん延防止等重点措置を5道府県に適用した。いずれも8月31日まで実施される。これらの措置による実質GDPへの影響は、7月12日以降で▲5,200億円程度と試算される(宣言のみでは▲3,500億円程度)。経済損失は今回の措置により拡大するものの、7月は人出がさほど減らず、8月も人出の落ち込みが緩やかになると想定されるため、実質GDPへの影響は従来試算から▲500億円程度の拡大にとどまる見通しだ。

◆内需の下支えに一定程度寄与すると期待されるのが、東京オリンピック関連の消費拡大である。POSデータを見ると、開催期間中にスーパーマーケットの販売額がとりわけ増加した。巣ごもり需要の拡大のほか、いわゆる「プチ贅沢」で単価が高まった可能性がある。デリバリーやテイクアウト、オリンピック関連グッズも好調なようだ。他方、テレビなどの買い替え需要は大会開催直前には一巡したとみられる。

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