2020年7-9月期GDP(1次速報)

大幅なプラス成長となったが、前期の減少額の半分強しか埋められず

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2020年11月16日

  • 経済調査部 シニアエコノミスト 神田 慶司
  • 山口 茜

サマリー

◆2020年7-9月期の実質GDP成長率は前期比年率+21.4%(前期比+5.0%)と、市場予想(前期比年率+18.9%)を上回った。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、国内外で経済活動が厳しく抑制された4-6月期からの反動もあって大幅なプラス成長となった。ただし7-9月期は年率換算で前期から24兆円の増加にとどまり、4-6月期の減少額(同43兆円)の半分強しか埋められなかった。経済活動の再開が進む中で感染拡大の影響が色濃く表れた結果といえる。

◆10-12月期の実質GDP成長率は前期比年率+1%程度と、7-9月期から大幅に減速するとみている。欧米では感染拡大が深刻化しており、日本でも新型感染症の入院患者向け病床使用率が多くの地域で上昇するなど強く懸念される状況にある。国内のサービス消費はGo To キャンペーンの効果もあって9月後半から回復基調が強まったとみられるが、家計消費額が一年で最も大きい12月にかけて自粛が広がる可能性がある。社会経済活動と感染拡大防止の両立に向けた試行錯誤が国内外で行われる中、内外需ともに下振れリスクの大きい状況が当面続くだろう。

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