2020年6月機械受注

4-6月期の民需は激減、7-9月期も更なる減少を見込む

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2020年08月19日

  • 経済調査部 エコノミスト 小林 若葉

サマリー

◆2020年6月の機械受注(船電除く民需)は前月比▲7.6%と、増加が予想されていたコンセンサス(同+2.0%)に反して減少した。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、幅広い業種で設備投資意欲が減退したようだ。

◆製造業は前月比+5.6%と5ヶ月ぶりに増加した。はん用・生産用機械や化学工業など幅広い業種からの受注が増加した。非製造業(船電除く)は同▲10.4%と2ヶ月ぶりに減少した。前月に増加した運輸業・郵便業、金融業・保険業などからの受注の反動減もあったものの、特に受注額の大きな運輸業・郵便業は基調としても弱い。一方、外需は前月比▲3.9%と4ヶ月連続で減少した。世界経済の悪化を受けて低迷が続いている。

◆2020年4-6月期の民需(船電除く)は前期比▲12.9%と4四半期連続で減少した。減少率はリーマン・ショック直後の2008年10-12月期(同▲14.6%)以来の大きさだ。2020年7-9月期は同▲1.9%と更なる減少が見込まれている。

◆先行きの民需(船電除く)は底ばいの推移が続くと予想する。企業業績の悪化や先行き不透明感の増大により、企業は当面の能力増強投資や不急の維持更新投資などの計画を先送りするとみられる。

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