サマリー
◆昨年終盤から金融市場に台頭していた見通しを一言で表現するならば、「適温経済」-すなわち①世界経済の底入れ、②金融緩和の継続、③不確実性低減の三条件が揃う中で、広範な金融資産の価格上昇基調が維持される環境の示現だったといえるだろう。そしてこの金融資産価格の上昇が資産効果を伴い、世界経済が本格的な景気拡大軌道に転じていくシナリオを描くことも不可能ではない。しかしこのシナリオ実現に向けては、いくつかの注意書きが伴う。
◆第一に、世界経済の底入れには未だ時間を要する公算が大きい。とりわけ先進国を中心として資本財・耐久財需要の減退が深刻化している点に注意が必要だ。第二に、低インフレ持続が金融緩和継続の前提条件となるが、この文脈において資源価格等の動向に注意を払う必要がある。また、FRBが行っている資産購入プログラムの継続可否も不透明だ。第三に、米国の大統領選挙・議会選挙で民主党が完全勝利した場合、法人税増税の可能性が高まる。また、選挙戦を有利に進める上で現職トランプ大統領がドル安誘導に踏み切るリスクも無視できない。現時点で実現可能性が高いリスクばかりではないが、その所在を認識しておく必要があるだろう。
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