サマリー
1-2月の中国の経済指標が壊滅的な悪化を示し、コロナ・ショックが中国から世界に拡散したように、劇的な景気悪化が世界を覆う懸念が強まっている。米国をはじめ、大掛かりな財政出動を伴う景気対策が講じられ始めているが、景気浮揚策は少なからぬ面で、感染拡大防止とトレードオフの関係にあるため、さしあたっての対策は企業の資金繰り支援、家計の所得補填などの痛み止め中心とならざるを得ない。当面は経済活動の萎縮は回避困難であり、世界の各所から驚くような統計数値を耳にする日々が続くと覚悟せざるを得ないだろう。世界経済の落ち込みの程度においてリーマン・ショック時との比較が取りざたされがちであるが、2009年は4兆元の景気刺激策を打ち出した中国が世界の成長率を0.7%引き上げた。しかし今回、その再現はない。金融市場は既に混乱を極めているが、悪材料が出尽くしになったとは判断できない。もっとも中国に関しては悪い話ばかりではない。同国における新規感染者数は3月8日以来50人未満に抑えられており、自粛モードも着実に終わりに向かいつつある。これを受けて経済活動がどのようなペースで正常化していくかに注目すべきであろう。特に、海外経済の悪化の直接的影響を受けにくい個人消費が比較的速やかに復調するのであれば、中国の後を追ってコロナ・ショックと格闘している各国、およびグローバル金融市場には、数少なくも極めて貴重な光明となる可能性がある。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
日本経済見通し:2020年3月
コロナショックの主戦場は「需要崩壊」と「信用収縮」へ
2020年03月18日
-
米国経済見通し 4-6月期はマイナス成長へ
2020年4-6月期の実質GDP成長率は前期比年率▲4.0%と予想
2020年03月18日
-
欧州経済見通し 見えない敵との戦い
新型コロナウイルス感染拡大抑制策によりマイナス成長へ
2020年03月18日
-
中国経済見通し:20年は1.5%の低成長へ
1~3月は▲7%程度と大失速へ、4~6月もマイナス成長か
2020年03月18日
同じカテゴリの最新レポート
-
2026年2月貿易統計
春節の影響で輸出数量は減少、今後は中東リスクが懸念材料に
2026年03月18日
-
2026年3月日銀短観予想
製造業の業況は改善見込みも、中東情勢の緊迫化で先行きは悪化へ
2026年03月18日
-
中東産原油等の輸入10%減少で日本経済はマイナス成長へ
日本は主要輸出先も中東依存度が高く、原油等の供給不足に脆弱
2026年03月18日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
理系進路選択に対する男女差の要因分析
女性の理系人材を増やすには、より早期段階での介入や対応が必要
2026年02月06日
-
2026年の東証改革の方針
上場会社の質の向上と新陳代謝を促進する市場機能の強化
2026年02月02日
-
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
-
第228回日本経済予測
第2次高市政権の重点政策、どう進めるか①外国人労働者受け入れ、②消費減税/成長・危機管理投資、を検証
2026年02月20日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
理系進路選択に対する男女差の要因分析
女性の理系人材を増やすには、より早期段階での介入や対応が必要
2026年02月06日
2026年の東証改革の方針
上場会社の質の向上と新陳代謝を促進する市場機能の強化
2026年02月02日
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
第228回日本経済予測
第2次高市政権の重点政策、どう進めるか①外国人労働者受け入れ、②消費減税/成長・危機管理投資、を検証
2026年02月20日

