サマリー
◆新型コロナウイルス感染拡大の中心地がアジアから欧州に移動した。2月下旬にイタリアで感染者増加が報告されてからわずか1カ月足らずで、イタリア、スペイン、フランス、ドイツの感染者数は計5万人に迫り、死亡者数は2,600人を超えた。感染の拡大を抑えるべく各国は大規模イベントの中止や学校の休校に続いて、3月中旬から飲食店などの営業停止や、人の移動の厳格な制限に踏み切った。
◆欧州経済への影響として、従来想定していた中国の消費と生産の落ち込みに伴う輸出の減少、サプライチェーンの寸断を通じた欧州での生産縮小に、欧州の個人消費の深刻な落ち込みと投資減少が加わる。英中銀(BOE)と欧州中央銀行(ECB)は相次いで金融緩和パッケージを採択し、また、各国政府も企業の資金繰り支援、従業員の所得補填などの財政支援策を発表するなど、景気下支えに動いているが、マイナス成長は避けられない見通しである。
◆当面の焦点は感染拡大がいつ終息するかである。今回の経済見通しではその時期を6月と想定し、ユーロ圏経済は1-3月期と4-6月期にマイナス成長となったあと、2020年後半は持ち直すと予想する。2020年通年では前回予想の+1.0%から-1.0%へ大幅な下方修正となる。英国では新型コロナウイルス感染者数の拡大はイタリアより半月ほど遅れているため、1-3月期はマイナス成長を免れる可能性があるが、4-6月期はやはりマイナス成長が見込まれる。2020年通年では前回予想の+1.0%から+0.2%へ下方修正した。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
欧州経済見通し 足元堅調もリスクは下向き
長引くインフレリスクと強まる金利上昇圧力
2026年09月17日
-
欧州経済見通し 引き続きインフレに警戒
猛暑で高まるインフレ上振れリスク
2026年08月25日
-
4-6月期ユーロ圏GDP 原油高でも底堅く成長
実質GDP成長率は前期比+0.4%と市場予想から上振れ
2026年07月31日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
-
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
-
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
-
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
-
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日

