サマリー
◆中国経済はかつてない苦境に立たされている。中国国家統計局によると、2020年1月~2月の鉱工業生産は前年同期比13.5%減(以下、変化率は前年同期比、前年比)、小売売上は20.5%減、固定資産投資は24.5%減と記録的なマイナスとなった。新型コロナウイルス肺炎感染拡大抑制のため、ヒトの移動やヒトとの接触を厳格に制限し、経済活動が全面的に停滞したことが、その背景にある。
◆徹底的な新型肺炎拡大抑制策が奏功し、中国国内の新規感染者数は激減し、終息も見えてきた。しかし、新型肺炎は中国一国の問題にとどまらず、主戦場が欧米など中国以外に移っていることが、事態を深刻化させている。大和総研では、2020年1月~3月の実質GDP成長率見通しを従来の3.8%程度から▲7.0%程度と、大幅に引き下げた。4月~6月については、新型肺炎拡大に伴う世界需要の減退や、雇用悪化による消費の戻りの鈍さが懸念され、マイナス幅は大きく縮小してもプラス成長への浮上は難しいであろう。中国経済の回復には、世界的な感染拡大の抑制、そして景気テコ入れ策の発動が鍵を握る。年後半の本格回復を想定しても2020年の実質GDP成長率は1.5%(従来予想は5.4%)程度にとどまろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
日本経済見通し:2025年1月
2025~34年度における経済財政・金利・為替レートの中期見通し
2025年01月24日
-
2025年、インドの消費回復の行方は?
都市部中間層の消費回復がカギ。2/1発表予定の予算に期待
2025年01月23日
-
グラス・ルイスの議決権行使助言方針改定
2025年以降の株主総会に適用する助言方針改定はほぼ既報の通り
2025年02月04日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
日本経済見通し:2025年1月
2025~34年度における経済財政・金利・為替レートの中期見通し
2025年01月24日
2025年、インドの消費回復の行方は?
都市部中間層の消費回復がカギ。2/1発表予定の予算に期待
2025年01月23日
グラス・ルイスの議決権行使助言方針改定
2025年以降の株主総会に適用する助言方針改定はほぼ既報の通り
2025年02月04日