サマリー
◆2020年2月の全国コアCPI(除く生鮮食品)上昇率は前年比+0.6%と前月から0.2%pt低下し、市場コンセンサス通りとなった。また、物価の基調を示す全国新コアコアCPI(除く生鮮食品、エネルギー)上昇率も同+0.6%と前月から0.2%pt減速した。2月に入り、新型コロナウイルス感染拡大による影響が一部で顕在化し始めている。
◆品目別の寄与度の変化を見ると、運賃改定が行われた「タクシー代」を除くと目立った押し上げ品目は見られなかった。一方、新型コロナウイルス感染拡大に伴う需要減少を背景に「外国パック旅行費」「宿泊料」は押し下げた。また、「電気代」「ガソリン」「都市ガス代」などのエネルギー関連品目も押し下げた。
◆先行きの全国コアCPIは、2020年度に入ってからはマイナス圏での推移が見込まれる。新型コロナウイルス感染拡大に伴う世界的な活動制限・自粛を背景とする需要の減退により、日本経済は大きく落ち込むことが見込まれる。マクロの需給バランスの悪化に加え、足元の原油安を反映したエネルギー価格の急落が物価の下押し要因となろう。
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