サマリー
◆日本や欧米の代表的な株価指数は、年初来高値から30%ほど下落している。今回のような株価の大幅な調整局面では、保有資産の価値の下落に伴って家計が消費を抑制する行動、つまりマイナスの資産効果(「逆資産効果」ともいわれる)が懸念される。
◆株価の変動によって家計の保有する金融資産の価値が100円変化すると、日本の個人消費は3.0円程度変化すると推計される。これは2~4円程度とされる先行研究の中央値に位置している。推計結果を機械的に当てはめれば、株価が前年から30%下落すると、実質個人消費は年0.5%程度(1.6兆円程度)減少する。
◆高齢化の進展で、株式資産の大部分は高齢世帯が保有するようになっており、資産効果の影響を受けやすい不要不急の消費は以前よりも減少している。そのため現実に生じる資産効果は推計結果よりも小さいだろう。また、経済活動の自粛が2月下旬から全国的に広がったことで、不要不急の消費はすでに抑えられている。こうした点を踏まえれば、今回はマイナスの資産効果が個人消費に及ぼす悪影響は限定的と考えられる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
出産年齢から見るChild Penalty①
就業継続の広がりと先行研究から見える課題
2026年11月06日
-
消費データブック(2026/11/5号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから消費動向を先取り
2026年11月05日
-
2026年7-9月期GDP(1次速報)予測 ~前期比年率+1.5%を予想~
個人消費は小幅減だった一方、設備投資と輸出が実質GDPを押し上げ
2026年10月30日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本の長期金利、2035年に5%台の可能性
2035年に3.5~4.2%程度で、海外保有拡大で1%pt超の上乗せも
2026年10月16日
-
増える高齢富裕層とその地域分布
高齢富裕層はどこにいるのか、その資産は今後どこへ向かうのか
2026年10月01日
-
金利上昇と「資本コストや株価を意識した経営」
金利上昇による資本コスト上昇は限定的だが引き続き要注視
2026年10月13日
-
預貸率における地域間格差
東京都への一極集中と地域金融機関に期待される対応
2026年10月02日
-
飲食料品の消費減税による消費行動への影響
買い控え・反動増は限定的。外食支援策は実態を見極めた対応を
2026年10月19日
日本の長期金利、2035年に5%台の可能性
2035年に3.5~4.2%程度で、海外保有拡大で1%pt超の上乗せも
2026年10月16日
増える高齢富裕層とその地域分布
高齢富裕層はどこにいるのか、その資産は今後どこへ向かうのか
2026年10月01日
金利上昇と「資本コストや株価を意識した経営」
金利上昇による資本コスト上昇は限定的だが引き続き要注視
2026年10月13日
預貸率における地域間格差
東京都への一極集中と地域金融機関に期待される対応
2026年10月02日
飲食料品の消費減税による消費行動への影響
買い控え・反動増は限定的。外食支援策は実態を見極めた対応を
2026年10月19日

