米中新冷戦下でのグローバルバリューチェーンの行方

日本経済中期予測(2020年1月)第3章

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2020年01月23日

  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦
  • 経済調査部 エコノミスト 小林 若葉

サマリー

◆グローバルバリューチェーンは、EU、東アジアを中心に発展を遂げ、世界経済にプラスの効果をもたらしてきた。また、その効果はとりわけ新興国にとって大きく、新興国の先進国に対するキャッチアップを促進してきたと考えられる。

◆これまで豊富な低賃金労働力を活かして、「量」による成長を続けてきた中国は、製造業の高付加価値化を進め、「質」による成長モデルへの転換を図っている。グローバルバリューチェーンにおいても、これまで欧米先進国や日本が担ってきた役割に取って代わるべく、ASEAN諸国への投資を積極化している。

◆中国の台頭による競合の激化が見込まれる中、いかに競争力を維持していくかが、今後の日本にとっての大きな課題となる。グローバルバリューチェーンの更なる効率化や、技術力向上のための研究開発が、これまで以上に重要性を増すことになろう。

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