経済指標の要点(9/18~10/17発表統計分)

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2019年10月17日

  • 経済調査部 エコノミスト 田村 統久
  • 経済調査部 研究員 中田 理惠
  • 経済調査部 エコノミスト 小林 若葉
  • 小林 俊介
  • 和田 恵

サマリー

◆【企業部門】8月は総じて弱い動きが目立った。輸出数量は前月比▲4.5%と3ヶ月ぶりに減少した。地域別に見ると、米国、EU、アジア向け全てで減少している。鉱工業生産指数は同▲1.2%と2ヶ月ぶりに低下し、経済産業省は基調判断を「このところ弱含み」へと下方修正した。また機械受注(船舶・電力を除く民需)は同▲2.4%と2ヶ月連続で減少した。

◆【家計部門】雇用・賃金はまちまちの結果となったが、消費は増加した。就業者数は季節調値で前月から19万人増加した。原数値で見ても前年同月比+1.0%と増加している一方で、実質賃金(共通事業所ベース、大和総研試算)は同▲0.3%と減少した。個人消費は天候不順だった7月からの反動増や、一部に生じた消費増税前の駆け込み消費を受け、前月比+2.4%と3ヶ月ぶりに増加した。

◆【四半期指標】2019年9月日銀短観では、業況判断DI(最近)は大企業製造業・非製造業ともに悪化したものの、市場コンセンサス対比では上振れして着地した。製造業の業況判断が悪化した主因は中国需要の弱さと9月前半の原油価格の上昇にあるが、同時期に米中が閣僚級協議再開の合意に達し、摩擦の緩和期待が強まったことなどを受け、悪化は小幅なものにとどまった。非製造業では連休効果の剥落と前述の原油価格の上昇が業況判断を押し下げた。一方、キャッシュレス対応に伴う特需や、住宅などの一部分野で確認された駆け込み需要が業況判断を押し上げ、こちらも全体としては小幅な悪化にとどまった。

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