2018年9月消費統計
7-9月期の個人消費は2四半期ぶりの減少
2018年11月06日
サマリー
◆【7-9月期GDP個人消費】11/14(水)に公表予定の7-9月期GDP個人消費は、2四半期ぶりに減少したとみている。雇用・所得環境の改善を背景として、消費者マインドは良好であるものの、7-9月期は酷暑に加え、豪雨、台風、地震と度重なる自然災害に見舞われたことが個人消費の重石となった。
◆【9月の消費】9月の消費は、需要側・供給側ともに前月から減少した。内訳を見ると、需要側・供給側双方の統計において、8月に好調だった自動車の購入・販売の反動減が押し下げ要因となった。また、供給側の商業動態統計では、「医薬品・化粧品小売業含むその他小売業」が減少したが、これは、台風や地震など自然災害の影響により外国人旅行客が減少したことが影響しているとみている。
◆【先行き】実質個人消費は、名目賃金増加の効果が物価高によって相殺され、横ばい圏で推移するとみている。今夏の異常気象や、9月上旬の台風・地震による影響で、生鮮食品を中心とする食料価格は上昇し、高止まりしている。こうした物価の上昇が家計の節約志向を一層強める可能性には注意が必要だ。なお、今年の秋・冬は平年より暖かくなる見込みで、天候要因は消費にマイナスに働きそうだ。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
2018年10月05日
2018年8月消費統計
総合すれば小幅に増加、自動車が好調
-
2018年03月09日
新指標、消費動向指数(CTI)に注目
他の消費関連統計や統計的手法で家計調査を補完
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
2021年01月15日
ポストコロナの人事制度を考える視点
~働く人の意識変化をどう捉えるか~
-
2021年01月14日
2020年11月機械受注
船電除く民需は市場予想に反し2ヶ月連続で増加、回復基調が強まる
-
2021年01月14日
アメリカ経済グラフポケット(2021年1月号)
2021年1月12日発表分までの主要経済指標
-
2021年01月13日
震災10年、被災地域から読み解くこれからの復興・防災・減災の在り方
『大和総研調査季報』 2021年新春号(Vol.41)掲載
-
2021年01月14日
共通点が多い「コロナ対策」と「脱炭素政策」
よく読まれているリサーチレポート
-
2020年12月17日
2021年の日本経済見通し
+2%超の成長を見込むも感染状況次第で上下に大きく振れる可能性
-
2020年12月01日
2020年10月雇用統計
有効求人倍率が1年半ぶりに上昇
-
2020年11月20日
日本経済見通し:2020年11月
経済見通しを改訂/景気回復が続くも、感染爆発懸念は強まる
-
2020年08月14日
来春に改訂されるCGコードの論点
東証再編時における市場選択の観点からも要注目
-
2020年10月15日
緊急事態宣言解除後の地域別観光動向/Go To トラベルキャンペーンのインパクト試算
ローカルツーリズムが回復に寄与するも、依然厳しい状況が続く