サマリー
◆【8月の消費】複数の統計でまちまちの結果となったものの、合わせて見ると前月から小幅に増加したとみられる。需要側の統計に関して、家計調査では、実質消費支出は前月から大幅に増加したが、前月が高額・低頻度消費によるぶれにより実態より弱かった可能性があることから、伸び率は割り引いて見る必要があろう。一方、単身世帯も含めたCTIミクロでは、実質消費支出は前月からわずかながらも減少している。両者を総合すると、需要側は横ばい圏の推移とみられる。他方、供給側の商業動態統計の小売販売額は、名目・実質ともに増加した。内訳については、需要側・供給側双方の統計において、自動車の購入・販売の好調さが際立つ結果となった。
◆【先行き】実質個人消費は、名目賃金増加の効果が、原油高などを背景とした物価高によって相殺され、横ばい圏で推移するとみている。足下で、エネルギー価格や生鮮食品価格の上昇を背景に、家計の直面する物価は大きく上昇している。物価の上昇が家計の節約志向を一層強める可能性には注意が必要だ。なお、今年の秋・冬は平年より暖かくなる見込みで、天候要因は消費にマイナスに働きそうだ。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年5月全国消費者物価
米価格の上昇が他の食料品や外食など関連品目の価格にも波及
2025年06月20日
-
2025年5月貿易統計
輸出数量は横ばい圏を維持も、円高効果等で輸出額は8カ月ぶりに減少
2025年06月18日
-
2025年4月機械受注
民需(船電除く)は減少し、コンセンサス通りの結果だった
2025年06月18日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
-
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日