サマリー
減速が続く中国経済は、安定性をある程度取り戻したように見える。過去1年間で3270億ドル減少した外貨準備は、10月は前月比で6か月ぶりの増加に転じた。人民銀行が8月に人民元の対ドルレートを切り下げたため、追加切り下げへの憶測から資本流出が加速したが、その動きはいったん収まったようだ。不動産価格は一進一退ながら大都市を中心に底入れし、全面的な不動産市場の調整は回避されている。ただし、中国経済が回復するには、金融緩和とともに人民元の切り下げを行い、製造業の生産を梃入れする必要があるだろう。低下する製造業の名目付加価値(GDPベース)の伸びは、7-9月期はついに前年比マイナス0.2%と、二桁成長が当たり前だった数年前とは様変わりの状況となっている。これは生産活動の停滞により過剰生産能力が顕在化し、製品価格の下落が加速しているためである。強い人民元とデフレの組み合わせは、中国の景気回復を阻害すると同時に、土地バブル崩壊後の日本の経験とも重なるところがあり、中国経済の日本化が懸念される。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
中国:景気下げ止まりの兆しも
今後5年の発展理念はイノベーション、協調、グリーン、開放、共享
2015年11月24日
-
欧州経済見通し ダウンサイドリスク増大
ECBは予告通り12月に追加緩和へ
2015年11月24日
-
米国経済見通し 論点は利上げ開始の先へ
家計需要を中心に内需は底堅さを保ちインフレ加速の可能性高まる
2015年11月24日
-
日本経済見通し:米国が「出口戦略」を講じると何が起きるか?
日本経済は「景気後退」局面入りの可能性はあるが、次第に回復へ
2015年11月24日
同じカテゴリの最新レポート
-
熊谷亮丸の経済・金融 Foresight 高市政権の成長戦略、骨太の方針で実質賃金は本当に増加するのか?
①時間あたり労働生産性の引き上げ、②1人あたり労働時間の増加、の2点が1人あたり実質賃金の増加に向けたカギ
2026年06月25日
-
生成AIシミュレーションと金融経済分析
応用研究事例から考えるメリットと注意すべき特性や課題
2026年06月23日
-
2026年5月全国消費者物価
エネルギーのマイナス幅縮小も、食料等の非耐久財の伸び率は縮小
2026年06月19日
最新のレポート・コラム
-
米国:AI活用は続くが、「選別」も本格化へ
「選別」は過剰投資を抑制も、信用リスク・資産価格への波及に注意
2026年06月25日
-
熊谷亮丸の経済・金融 Foresight 高市政権の成長戦略、骨太の方針で実質賃金は本当に増加するのか?
①時間あたり労働生産性の引き上げ、②1人あたり労働時間の増加、の2点が1人あたり実質賃金の増加に向けたカギ
2026年06月25日
-
デジタルアイデンティティ・デジタルクレデンシャルをめぐる取組みと実装技術の論点整理(第2部/全3部)
欧州4カ国と日本のデジタルID基盤・ウォレット構築の比較
2026年06月25日
-
主要国経済Outlook 2026年7月号(No.476)
経済見通し:世界、日本、米国、欧州、中国
2026年06月24日
-
米国:AIが変える人材需要—中堅・シニア優位も、その持続性は「?」
2026年06月24日
よく読まれているリサーチレポート
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
コーポレートガバナンス・コードの改訂案が公表
本質的な取組みと丁寧なエクスプレインが期待される
2026年04月27日
-
第229回日本経済予測
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年05月25日
-
変革迫られる学校法人の資産運用
AOP対応は、少子化・インフレの荒波を乗り越えるための第一歩
2026年05月07日
-
日本経済見通し(2026年4月)
中東情勢緊迫による景気下振れリスク上昇で4月利上げは見送りか
2026年04月21日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
コーポレートガバナンス・コードの改訂案が公表
本質的な取組みと丁寧なエクスプレインが期待される
2026年04月27日
第229回日本経済予測
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年05月25日
変革迫られる学校法人の資産運用
AOP対応は、少子化・インフレの荒波を乗り越えるための第一歩
2026年05月07日
日本経済見通し(2026年4月)
中東情勢緊迫による景気下振れリスク上昇で4月利上げは見送りか
2026年04月21日

