サマリー
◆10月のFOMC(連邦公開市場委員会)で、利上げを12月のFOMCで検討することを明示し、12月の利上げ開始が妥当だと予想するFOMC参加者の発言も相次いだ。利上げ開始の可能性が高まり、議論は2回目以降の利上げなどに移り始めていると考えられる。
◆減速が懸念された労働市場が力強い改善を示し、個人消費や住宅投資といった家計需要は、一時的要因を除けば改善傾向が続いている。企業活動は生産部門で引き続き冴えないが、内需の底堅さを背景に底打ちしつつある。
◆内需の底堅さは物価にも波及し、サービス価格およびサービス部門の賃金上昇率加速の兆しが見られ、インフレ加速の可能性は高まりつつある。ただし、金融政策の変更に向けて、やや気がかりなのは期待インフレ率の低下となる。
◆鉱業関連投資の下振れや、製造業の伸び悩みにより、当面は設備投資が上振れするシナリオは描きづらい。米国経済の先行きに関しては、雇用・所得環境の改善を背景とした個人消費の増加を牽引役にして、内需主導の景気拡大が続く見通しである。
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