サマリー
世界金融危機後、主要国の中央銀行は膨大なマネタリーベースの供給を行ってきた。これによって米国は利上げまでもう一歩のところまで景気を回復させ、ユーロ圏はデフレ回避に、日本はデフレ脱却に一定の成果を収めてきた。ただ依然として新興国を含む主要国の経済成長率の見通しは下方修正が続き、多くの国で目標とする経済成長率の実現が逃げ水のように遠ざかる状況が続いている。金融緩和は強力な効果を持つとはいえ、それにも限界があり、経済成長の再加速には力不足であるとの印象は否めない。しかし、主要先進国では緊縮財政が続き、構造改革も政治的な要因を背景に進展が容易ではないとすれば、各国とも金融緩和に依存せざるを得ず、FRBが9月に利上げを見送ったことは、世界経済の現状を考えれば妥当な選択であったといえる。米国の利上げが新興国に影響を及ぼすことは不可避であり、また中国経済の減速が構造改革を必要とする根の深い問題であるという点で、FRBにとって利上げ判断を巡る不確実性はそう簡単に消え去るものではないだろう。
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