サマリー
本稿では、国内の個人消費を牽引する高齢者世帯の消費が、どのように決まるのかを他の年齢階級と比較することで明らかにする。また、主な収入が年金である高齢無職世帯の消費の特徴を捉え、年金の実質的な減額が消費抑制へつながるのかを確認したい。
勤労世帯と異なり、高齢無職世帯の消費は所得を大幅に上回っており、交際費やパック旅行等の選択的支出の割合が比較的多い。近年は勤労世帯が食費を切り詰めているのに対し、高齢無職世帯ではあまり変化がない。その原資は貯蓄取り崩しであり、資産を持つ高齢者世帯の割合は増加している。
定年退職後の長い高齢期(健康寿命と比較しても定年年齢は早期に設定されている)の消費については、低貯蓄・低収入世帯を除き、公的年金給付だけでなく、貯蓄取り崩しや就労によってヘッジしていくことが望ましいと思われる。そのため、特に高齢者の就労を促すには生産性に応じた雇用体系へ移行すべきであろう。
一方で、就労が困難な後期高齢者や低貯蓄・低収入世帯においては年金を重点的に給付するような制度のあり方が検討できよう。

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