サマリー
◆2012年10-12月期の実質GDP成長率は前期比年率▲0.4%(前期比▲0.1%)と3四半期連続のマイナス成長となり、市場コンセンサス(前期比年率+0.4%、前期比+0.1%)を下回った。内需寄与度は前期比+0.1%ptと2四半期ぶりのプラス寄与となったものの、外需寄与度が前期比▲0.2%ptと3四半期連続のマイナス寄与となったことが実質GDPを押し下げた。外需のマイナス寄与は概ね想定通りであったが、民間在庫がマイナス寄与(▲0.2%pt)となった結果、内需のプラス寄与が想定外に小さかったことが、市場予想から下振れした主な要因である。
◆今回の結果を総じて見ると、輸出、設備投資が低下するなど、企業部門の悪化が続いていることが確認される内容であった。また、個人消費は増加したものの、個人消費の裏付けとなる雇用者報酬は減少しており、全体として良い内容ではなかった。ただし、先行きに関しては、2013年1-3月期以降、GDPは増加傾向に向かうと見込んでいる。このところの景気停滞の主因であった輸出は、中国等のアジアで景気改善の動きが見られていることに加え、2012年末からの円安の進行を受けて増加に向かう可能性が高い。輸出の増加は企業収益を押し上げ、設備投資を誘発する見込みであることに加え、家計の所得環境の改善につながり、個人消費を下支えすることとなろう。これまで増加が続いてきた公共投資に関しても、政府の経済対策を受けて一層加速する公算が大きい。2012年初頭からの景気後退は短期間で終了し、2013年1-3月期以降、景気は拡大局面に向かう公算である。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年7月全国消費者物価
単月で見れば弱めの結果も上昇基調は引き続き強い
2025年08月22日
-
2025年7月貿易統計
トランプ関税や半導体関連財の需要一服で輸出金額は3カ月連続の減少
2025年08月20日
-
2025年6月機械受注
非製造業(船電除く)の増加で船電除く民需は3カ月ぶりに増加
2025年08月20日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
のれんの償却・非償却に関する議論の展望
2025年07月07日
-
日本経済見通し:2025年7月
25年の賃上げは「広がり」の面でも改善/最低賃金の目安は6%程度か
2025年07月22日
-
対日相互関税率は15%で決着へ-実質GDPへの影響は短期で▲0.5%、中期で▲1.2%-
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.2%減少
2025年07月23日
-
新たな相互関税率の適用で日本の実質GDPは短期で0.8%、中期で1.9%減少
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.7%減少
2025年07月08日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
のれんの償却・非償却に関する議論の展望
2025年07月07日
日本経済見通し:2025年7月
25年の賃上げは「広がり」の面でも改善/最低賃金の目安は6%程度か
2025年07月22日
対日相互関税率は15%で決着へ-実質GDPへの影響は短期で▲0.5%、中期で▲1.2%-
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.2%減少
2025年07月23日
新たな相互関税率の適用で日本の実質GDPは短期で0.8%、中期で1.9%減少
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.7%減少
2025年07月08日