サマリー
原発停止による火力発電の増加や再生可能エネルギー導入の影響で、今後、企業や家計における電力料金の上昇が懸念される。一方、高齢世帯では在宅時間が長くなり、安全で快適な暮らしを実現できる電化製品への依存を高めやすい。さらに、次の高齢者となる現役世代ほど電気代は高くなる傾向がある。今後はますます電気に依存する高齢世帯数が増加するので、高齢社会の進展からも家計部門の電気代が増えていく可能性は高い。
個々人の生活の質を落とさずに電気代の上昇を抑えるには、例えば電力需要の抑制が必要となるが、現在、家計部門では需給逼迫時に首尾よく電力需要を抑制するシステムが備わっていない。そのため、電力使用量を「見える化」するスマートメーターや、インターネットとの接続で電力使用量を抑えるスマート家電やスマートグリッド、そして価格メカニズムの導入といったハードとソフトの両面での、効率的な電力需給システムの構築が必要だ。
ITを活用すれば取り扱う情報量が膨大になり、情報セキュリティ等に対する万全の対策も必要となる。ビッグデータを安全かつ効率的、そして低廉に扱うシステム作りが、日本の電力システムにとって新たな課題となろう。

大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
2026年8月雇用統計
失業率は2.5%と前月から0.1%pt上昇も、雇用環境は概ね横ばい
2026年10月02日
-
2026年9月日銀短観
AI需要で製造業は改善も、先行きはコスト増や金利上昇で業況悪化
2026年10月01日
-
2026年8月鉱工業生産
熊本地震や台風により自動車工業が下振れ、生産全体を下押し
2026年09月30日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
-
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
-
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
-
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
-
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日

