11月CPI~全国コアCPIは2ヶ月連続で前年割れ

需給バランスの緩和が背景に。特殊要因により、一部食品価格は上昇。

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2011年12月28日

サマリー

全国コアCPI、コアコアCPI は緩やかな下落基調:11月の全国コアCPI は前年比▲0.2%となり、コンセンサス通りの結果となった。11月の全国コアCPI季節調整値は前月比で横ばい、3ヶ月移動平均では、6ヶ月連続で下落している。また全国コアコアCPIでみても、緩やかな下落基調にある。

需給改善は足踏み:物価が下落基調にある背景には、マクロ需給バランスの緩和が挙げられる。GDPギャップをみると、需給改善が足踏みしている状態にあり、これがラグを伴って、足元の物価の弱さにつながっているとみられる。物価が緩やかな下落基調にある中、注目したいのは特殊要因による一部食品価格の上昇である。震災や商品市況の上昇を背景に、足元の穀物価格が上昇へ転じている。デフレ基調が続く中でも、消費者レベルでは物価下落が実感されにくくなっていると考えられる。

今後の見通し:東京都区部等の動きから、12月の全国コアCPIは前年比0.0%程度になると予想している。復興需要の後ズレなどにより、依然デフレ脱却の見通しは不透明である。国内企業物価指数のうち最終財が足元で弱含んでいるほか、日銀短観(12月)の販売価格判断DIでも、「最近」「先行き」において企業は慎重な見方を維持しており、物価は緩やかな下落基調が続く見通しである。主要項目別では、年明け以降、2011年の同時期に上昇していたエネルギー価格の裏が出るため、前年比でみてエネルギー価格による押し上げ幅は縮小するだろう。

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