サマリー
◆2024年9月の景況感指数(総合、欧州委員会発表)は前月差▲0.3ptと3ヵ月ぶりに低下し、7-9月期平均は96.2となった。指数の水準に照らせば、ユーロ圏の実質GDPは7-9月期も小幅なプラス成長になったとみられ、悪化こそ免れているものの、引き続き低成長から抜け出せていない。
◆ECBは10月の理事会で2会合連続となる利下げを実施した。利下げの理由に関してECBは、インフレ率の下振れに加えて、景気の下振れに言及しており、ECBの政策決定における景気動向の重要性は増している。
◆利下げペースが加速したことはユーロ圏経済にとってプラスの材料となる。金利低下に伴い企業・家計の資金需要は既に増加しているが、利下げペースの加速によって今後さらに増加すると見込まれる。もっとも、景気に加速の動きが見られれば、ECBには利下げのペースを遅らせるという選択肢もあり得ることは念頭に置いておく必要があるだろう。
◆インフレ率の低下を受けて、英国でも利下げペース加速の議論が高まっている。BOEは11月の金融政策委員会で追加利下げを実施する可能性が高いが、これに加えて、12月会合での連続利下げに向けたヒントが出されるか否かが注目点となる。
◆他方、英国では財政政策についても近く、大きな動きが予想されるが、これはむしろ景気の下押し要因となる可能性が高い。労働党政権は10月30日に公表する秋季予算案において、歳出削減、増税を発表するとみられており、その規模、および具体的な財源が注目される。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
欧州経済見通し 家計主導の景況感悪化
製造業では駆け込み需要が下支え/英国では政治不安がリスクに
2026年05月27日
-
1-3月期ユーロ圏GDP 市場予想に反して減速
かろうじてプラス成長も、原油高の悪影響本格化の前から成長停滞
2026年05月01日
-
欧州経済見通し 進む資源高対応
財政支援と企業による価格転嫁
2026年04月21日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
コーポレートガバナンス・コードの改訂案が公表
本質的な取組みと丁寧なエクスプレインが期待される
2026年04月27日
-
第229回日本経済予測
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年05月25日
-
変革迫られる学校法人の資産運用
AOP対応は、少子化・インフレの荒波を乗り越えるための第一歩
2026年05月07日
-
日本経済見通し(2026年4月)
中東情勢緊迫による景気下振れリスク上昇で4月利上げは見送りか
2026年04月21日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
コーポレートガバナンス・コードの改訂案が公表
本質的な取組みと丁寧なエクスプレインが期待される
2026年04月27日
第229回日本経済予測
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年05月25日
変革迫られる学校法人の資産運用
AOP対応は、少子化・インフレの荒波を乗り越えるための第一歩
2026年05月07日
日本経済見通し(2026年4月)
中東情勢緊迫による景気下振れリスク上昇で4月利上げは見送りか
2026年04月21日

