サマリー
◆ロシアのウクライナ侵攻から3ヵ月が経過したが、収束の目途が立っていない。ウクライナ侵攻の長期化は、ロシアとの関係、特に企業や家計の活動の糧であるエネルギーの依存度の高さから、欧州経済に大きな影響を与えている。日が経つにつれて、欧州経済の見通しは下方修正されている。
◆ウクライナ侵攻という大きな不確実性を伴うショックに加えて、エネルギーや食料品など生活必需品を中心に価格が高騰したことが、個人消費を一段と押し下げたとみられる。また、ウクライナ侵攻によって供給サイドのボトルネック解消が阻害され、生産活動の停滞の長期化やエネルギー等の資源価格の上昇が、企業活動を鈍らせた。
◆脱ロシアに向けた取り組みは、総論(EU全体)では一致するものの、各論(個別の国)では停滞する状況も生じている。特に、エネルギー等、企業活動・国民生活に直接的な影響を及ぼす事柄になると、国内世論に左右される民主主義国家の指導者・政治家は、行動が鈍くなる。また、多国間協議では、全会一致の必要性を盾に取って、自国に有利な条件を引き出そうとする老獪な政治家も見られ、協議が進まない。
◆停滞感が強まる中で、想定を大幅に上回る高インフレに対して、ECBやBOEは忙しく動いている。昨年12月から先行して利上げを実施しているBOEは、2023年のマイナス成長の可能性に言及し、インフレ対応と成長維持の両立の難しさを体現している。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
欧州経済見通し 当面、不確実性を払拭できず
時間とお金を要するロシア依存からの脱却
2022年04月21日
-
ユーロ圏、2022年1-3月期は年率+0.8%
2四半期連続の低成長、様々な要因による高インフレが重しに
2022年05月02日
同じカテゴリの最新レポート
-
欧州経済見通し 財政拡張の効果が拡大
ドイツ製造業受注が急増し、製造業の景況感も改善
2026年02月24日
-
10-12月期ユーロ圏GDP 内需主導で成長加速
主要国が揃ってプラス成長、市場予想から上振れ
2026年02月02日
-
欧州経済見通し トランプリスク再来
追加関税で対米貿易摩擦懸念が再燃/欧州経済中期見通し
2026年01月21日
最新のレポート・コラム
-
2026年1月鉱工業生産
普通乗用車などの大幅増産により自動車工業が生産全体を押し上げ
2026年02月27日
-
人手不足時代の外国人労働者の受け入れと共生の課題
潜在成長率を年率0.4%pt押し上げ/共生の鍵は日本語教育
2026年02月26日
-
テキスト分析が映し出す金融当局の楽観視
金融当局ネガティブ指数で、金融システムへの警戒感の変化を読む
2026年02月26日
-
ガバナンス・コードはスリム化するか?
原則の統合によって原則数減少、独立性判断方針の「策定・開示」から「策定」へ変更し要開示事項が減少
2026年02月26日
-
消費税減税より「最初の一歩」を。米国のトランプ口座が示す物価高対策
2026年02月27日
よく読まれているリサーチレポート
-
中国によるレアアース・レアメタルの輸出規制は日本の実質GDPを1.3~3.2%下押し
供給制約により、自動車産業を中心に生産活動の低迷が懸念される
2025年12月05日
-
2026年の日本経済見通し
1%弱のプラス成長を見込むも外需下振れや円急落、金利高等に注意
2025年12月23日
-
2026年度税制改正大綱解説
給付付き税額控除導入を含めた所得税の抜本的改革が必要
2025年12月25日
-
中国経済:2025年の回顧と2026年の見通し
不動産不況の継続と消費財購入補助金政策の反動で景気減速へ
2025年12月23日
-
「飲食料品の消費税ゼロ」の経済効果
世帯あたり年8.8万円の負担軽減になり個人消費を0.5兆円押し上げ
2026年01月20日
中国によるレアアース・レアメタルの輸出規制は日本の実質GDPを1.3~3.2%下押し
供給制約により、自動車産業を中心に生産活動の低迷が懸念される
2025年12月05日
2026年の日本経済見通し
1%弱のプラス成長を見込むも外需下振れや円急落、金利高等に注意
2025年12月23日
2026年度税制改正大綱解説
給付付き税額控除導入を含めた所得税の抜本的改革が必要
2025年12月25日
中国経済:2025年の回顧と2026年の見通し
不動産不況の継続と消費財購入補助金政策の反動で景気減速へ
2025年12月23日
「飲食料品の消費税ゼロ」の経済効果
世帯あたり年8.8万円の負担軽減になり個人消費を0.5兆円押し上げ
2026年01月20日

