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欧州経済見通し 明るい夏を迎えられるか

ワクチン接種でもたつくEU、EUとの関係がぎくしゃくする英国

2021年03月23日

ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 近藤 智也

サマリー

◆欧州の多くの国で行動制限措置が実施されているが、一部の国では新規感染者の増加ペースが再び加速し、規制内容を強化する動きが広がっている。新型コロナウイルスの第3波を警戒する陰鬱な春を迎え、イースターも引きこもり生活が続く見通しである。

◆各国は、新規感染者の拡大に歯止めをかけ、経済の正常化を急ぐべく、早期のワクチン接種を進めようとしている。だが、供給不足によってスケジュールが遅れ気味である。さらに、3月に入って、ワクチン接種による副反応への懸念からEUの約半数の国が特定のワクチン接種を一時停止した。夏の終わりまでに成人7割の接種完了を掲げるEUの目標達成は難しくなっている。

◆英国は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種競争において、EU諸国よりも大きく先行している。感染抑制の進展により、年初から続く3度目のロックダウンも、約4ヵ月かけての緩やかな段階的な緩和プロセスに移行している。EUと英国の置かれている環境が異なるために、ワクチン調達を巡って両者の関係はぎくしゃくしている。

◆夏のホリデーシーズンを前にして、海外からの観光客を迎えることに積極的な国や観光関連産業は、ワクチン証明など何らかの免罪符の早急な導入を強く主張している。もっとも、ワクチン接種ペースが遅く、新規感染者の増加になかなか歯止めがかからない現状では、人々が自由に行動できる時期はもう少し先になるかもしれない。

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