サマリー
◆英国の保守党・自由民主党連立政権による教育制度改革の目玉として導入され、2011年から順調に開校数を増加させているフリースクールだが、今でもその是非を巡り賛否両論が寄せられるなど、依然として物議を醸している。
◆保護者をはじめとする多様なグループが、中央政府から直接予算を獲得し、自らのビジョンに基づいて設立、独自なカリキュラムを実施するなど、広範な自由を付与されたフリースクールだが、中央政府への教育権限の逆流や、残された公立校に対するビジョンの欠如など懸念事項も多く、全国民の支持を得るのは難しい。
◆公教育と私立教育の格差が大きい英国では、フリースクールは保護者に新たな選択肢を提供するとともに、教育水準の底上げを通じて社会モビリティに一石を投じる役割も期待される。日本でもよりよい教育を求める保護者のプロアクティブな姿勢は見習ってもいいのではないだろうか。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
欧州経済見通し 成長再加速の兆し
景気の下振れリスク緩和でECBの追加利下げ観測は後退
2025年11月25日
-
7-9月期ユーロ圏GDP 緩やかな成長が継続
フランスの成長ペースが加速し、市場予想からはわずかに上振れ
2025年10月31日
-
欧州経済見通し フランスの政治不安は一服
ただし予断は許されず、予算協議が次の焦点
2025年10月21日

