サマリー
◆2018年、新興国はドル金利の上昇という市場の変調を起点として、実体経済が圧迫を受けた。見様によっては、今、逆のことが起きている。新興国通貨は反転し、金融引き締めの必要性が薄れ、景況感の改善の余地が生まれている。
◆しかし、市場→実体経済という流れの再現は、相当なナローパスであるように思われる。一つには市場が織り込み切れていない、実体経済的な悪いニュースが、現在のリスク・オン的状況を霧散させる可能性がある。第二の難点は、リスク・オンをもたらしたのがハト派的姿勢を強めるFRBだったことだ。リスク・オンの持続には世界的な景況感の悪化が避けられること、FRBの利上げ回避が継続することの両方が必要だが、前者に対してFRBが対処できる余地はほとんどない。
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