サマリー
◆世界経済の停滞に対処する上で金融政策への過度の依存は望ましくなく、財政政策を併用すべきという考えがこのところ優勢になりつつあるのは、主要国の政策課題にずれが生じていることの結果である。G7サミットでの政策協調の失敗は必然に近い。
◆金融緩和は通貨を安くし、財政出動は通貨を強くする。結果として、誰もが協調なしの財政出動には躊躇する。だからこそ協調が求められるのだが、それが実現しないままに財政出動に動きつつある日本は、円の独歩高のリスクを抱え込んだ。
◆協調失敗は新興国にもネガティブである。中国の投資底打ちや原油価格上昇などの好材料が散見されてきており、新興国経済のダウンサイドリスクは低下しているが、総じて先進国頼みの状況に変化はない。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
なぜベトナムは「不平等協定」を結ぶのか
米国・ベトナムの「ディール」を解明する
2025年08月14日
-
米国抜きの連携拡大~CPTPPのEU拡大が意味すること
「反米色」を排除しながら自由貿易の枠組みを強化、アジアに恩恵も
2025年07月23日
-
インド経済は堅調か?2025年度Q2以降の見通し
個人消費とインフラ投資がけん引役。利下げが都市部の消費を刺激へ
2025年07月07日

