サマリー
リーマン・ショック以降の先進国の金融緩和とともに新興国へと流入したマネーは、足元では逆流しつつある。中国においては景気の減速や、対ドルでの人民元安の進行、本土内の金利の低下等を背景に貸出や現預金を中心として資金流出へと転じている。また、新興国の景気減速や、生産過剰等により原油をはじめとした資源価格が下落してきており、ブラジル、ロシアといった資源国についても海外資本の流入が減少、または流出に転じている。
各国において資金流出および通貨安が進む一方で、これまで懸念されてきたかつてのアジア通貨危機のような事態には至っていない背景としては、外貨準備の水準が高かったことが挙げられる。また資金流出の一部は ドル高に備えた債務返済なども含まれており、必ずしもネガティブな動きとは言い切れない。
しかしながら、今後も資金流出の圧力は続く恐れがあることには留意が必要であろう。今後、中央銀行が資産売却によりこれまで供給されてきたマネーを縮小する際には、これまで以上に新興国からの資金流出圧力が高まる恐れがある。

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