1. トップ
  2. レポート・コラム
  3. 経済分析
  4. 新興国
  5. 新興国における資金流出入の現状

新興国における資金流出入の現状

~中国・ブラジル・ロシアを中心に~『大和総研調査季報』 2016年4月春季号(Vol.22)掲載

2016年06月01日

経済調査部 研究員 中田 理惠

サマリー

リーマン・ショック以降の先進国の金融緩和とともに新興国へと流入したマネーは、足元では逆流しつつある。中国においては景気の減速や、対ドルでの人民元安の進行、本土内の金利の低下等を背景に貸出や現預金を中心として資金流出へと転じている。また、新興国の景気減速や、生産過剰等により原油をはじめとした資源価格が下落してきており、ブラジル、ロシアといった資源国についても海外資本の流入が減少、または流出に転じている。


各国において資金流出および通貨安が進む一方で、これまで懸念されてきたかつてのアジア通貨危機のような事態には至っていない背景としては、外貨準備の水準が高かったことが挙げられる。また資金流出の一部は ドル高に備えた債務返済なども含まれており、必ずしもネガティブな動きとは言い切れない。


しかしながら、今後も資金流出の圧力は続く恐れがあることには留意が必要であろう。今後、中央銀行が資産売却によりこれまで供給されてきたマネーを縮小する際には、これまで以上に新興国からの資金流出圧力が高まる恐れがある。


大和総研調査季報 2018年4月春季号Vol.30

大和総研 調査本部が、その長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、経済、金融資本市場及びそれらを取り巻く制度を含め、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。

大和総研調査季報(最新号はこちら)

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加