サマリー
◆2011年の民政移管以降、テインセイン大統領指揮のもと、ミャンマーは政治経済面で大きな変化を遂げてきた。IMFが求めた制度改革にも積極的に取り組みながら、8%台の高成長を遂げている。そのような中、2015年は総選挙、ASEAN経済共同体の発足、ティラワ経済特別区の開業が予定される等、ミャンマーにとって重要な年となる。
◆経済開放以降、海外から投資が流入しているセクターは多様化しているが、一次産品中心の輸出構造に変化は無い。また、経常収支の赤字は拡大し、自国通貨チャットには下落圧力がかかっている。今後の課題はいかに産業構造を発展させ、サプライチェーンの中に組み込まれることで輸出を促進できるか、金融セーフティーネットを確立し対外的な脆弱性を緩和できるのかという点にある。
◆次期政権に求められる課題は、①公正な選挙と政治不安定化の阻止、②農業加工品輸出の促進と、AEC発足・SEZ稼働を契機とした産業育成、③金融セーフティーネットの整備が挙げられる。総選挙についてはNLDが優勢とみられているが、アウンサン・スーチー女史の大統領就任の可能性は非常に低い。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
米金融政策を占うジャクソンホール会議の注目点は?
市場が期待するほどの大幅な利下げの示唆は期待しにくい
2024年08月16日
-
ハリス氏はトランプ氏に勝てるのか?そして、米国経済の行方は?
トランプ氏の優勢は継続、トランプ・リスクの発現は議会選挙とトランプ氏の匙加減次第
2024年08月02日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
「国債買入減額」と「追加利上げ」が長期金利と経済活動に与える影響は限定的か
2024年7月金融政策決定会合で日銀は金融緩和の縮小姿勢を明確化
2024年07月31日
-
「適温」なドル円相場は130円台?
ただし10円の円高で実質GDPは0.2%悪化
2024年08月14日
米金融政策を占うジャクソンホール会議の注目点は?
市場が期待するほどの大幅な利下げの示唆は期待しにくい
2024年08月16日
ハリス氏はトランプ氏に勝てるのか?そして、米国経済の行方は?
トランプ氏の優勢は継続、トランプ・リスクの発現は議会選挙とトランプ氏の匙加減次第
2024年08月02日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
「国債買入減額」と「追加利上げ」が長期金利と経済活動に与える影響は限定的か
2024年7月金融政策決定会合で日銀は金融緩和の縮小姿勢を明確化
2024年07月31日
「適温」なドル円相場は130円台?
ただし10円の円高で実質GDPは0.2%悪化
2024年08月14日