サマリー
◆政権交代を機に、インドで成長再開の期待が高まっている。外資規制緩和とインフラ投資推進を両輪とする成長促進的政策が今後どのように具体化し機能するかと同様に、市場や産業界が抱き始めた「インドは変わるかもしれない」という期待の役割が重要である。新政権はこの期待を温存し、それをインドの期待成長率の上方修正につなげていかなくてはならない。
◆低調な成長パフォーマンスが期待成長率の下方修正につながり、実際に内外企業の投資を収縮させるという悪循環は、インドのみならず多くの新興国で観察される。その意味で、インドが成功体験を提供し、新興国に対する過度の悲観論を修正するきっかけとなるかにも注目したい。
◆こうした変化の胎動が新興国サイドで見られ始めてきたことは重要だが、これを後押しするうえで、米国を中心とした先進国の景気拡大維持など、外部環境の安定は引き続き不可欠である。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
インド:所得減税・GST改正の効果は?
GST税率引き下げは耐久財消費を喚起。企業投資につながるか注視
2025年11月14日
-
インドネシア:弱含む内需への対応策は?
雇用問題が消費者心理に影響。ヒト・モノへの投資バランス調整を
2025年11月13日
-
なぜベトナムは「不平等協定」を結ぶのか
米国・ベトナムの「ディール」を解明する
2025年08月14日

