サマリー
◆中国では旧正月(春節)の時期のずれによる影響を避けるため、鉱工業生産や小売売上、固定資産投資といった主要経済統計は、1月と2月の合計が3月中旬に発表されるものが多い。1月単月のデータが入手できるのは、一部にとどまるが、2022年1月の金融統計からは中国政府が景気を下支えする姿勢を鮮明にしていることが読み取れる。1月の社会資金調達金額(経済全体の資金調達額)は前年同月比19.0%増となった。
◆2022年3月5日に、第13期全国人民代表大会(全人代)第5回全体会議が開幕する。大和総研は2022年の政府成長率目標は「5.0%以上」に設定される可能性が高いとみている。「需要の縮小、供給の制約、弱気な予想」の三重苦と評される中、これは決して低くはないハードルである。経済の安定が最優先される中、どのような景気下支え策が打ち出されるのかが注目される。さらに、政府成長率目標の達成の可能性を高めるものとして、「ゼロコロナ」政策と経済・社会活動の両立を図る上海市の取り組みがある。全人代では各地方の分科会が開かれるが、「上海モデル」が全国展開される機運が高まるかどうかにも注目している。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
中国:力不足、あるいは迷走する政策と景気減速
依然不透明なトランプ関税2.0の行方
2025年08月22日
-
中国:年後半減速も2025年は5%前後を達成へ
不動産不況、需要先食い、トランプ関税2.0の行方
2025年07月22日
-
中国:内巻(破滅的競争)と上乗せ関税の行方
追加関税大幅引き下げでも製造業PMIは50割れが続く
2025年06月24日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
-
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日