サマリー
◆今年11月頃を目途に深セン証券取引所と香港証券取引所をつなぐ深セン・香港ストックコネクトの開始が計画されている。
◆上海・香港ストックコネクトの導入の際には、両市場に同時上場する銘柄(A+H株)の価格差が縮小するのではないかといった予測や、制度開始直後の本土市場の株価の急激な上昇が話題となった。
◆上海・香港ストックコネクト導入後の上海市場の株価上昇には政策金利の引き下げ等のその他の要因もあり、制度による直接的な影響は小規模だったと見受けられる。2015年末時点における当該制度による投資残高は当初規定されていた投資上限額に満たず、保有割合は上海市場の時価総額の0.5%ほどに留まっている。
◆深セン・香港ストックコネクトの導入においても、当該制度により流入する資金が深セン上場株の株価に与える直接的な影響は限定的となる可能性がある。
◆深セン・香港ストックコネクトの導入はA+H株の市場間の価格差を完全になくすまでには至らないのではないか。
◆制度導入による直接的影響は限定的と考えられるものの、当該制度の導入の主眼は中国本土株式市場の国際化の推進にあろう。また、主要な新興国指数へのA株の組み入れに向けた有効な取り組みではないだろうか。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
中国:年後半減速も2025年は5%前後を達成へ
不動産不況、需要先食い、トランプ関税2.0の行方
2025年07月22日
-
中国:内巻(破滅的競争)と上乗せ関税の行方
追加関税大幅引き下げでも製造業PMIは50割れが続く
2025年06月24日
-
中国:関税引き下げを受け、見通しを上方修正
25年は3.9%→4.8%、26年は4.0%→4.2%に上方修正
2025年05月23日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
のれんの償却・非償却に関する議論の展望
2025年07月07日
-
日本経済見通し:2025年7月
25年の賃上げは「広がり」の面でも改善/最低賃金の目安は6%程度か
2025年07月22日
-
対日相互関税率は15%で決着へ-実質GDPへの影響は短期で▲0.5%、中期で▲1.2%-
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.2%減少
2025年07月23日
-
新たな相互関税率の適用で日本の実質GDPは短期で0.8%、中期で1.9%減少
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.7%減少
2025年07月08日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
のれんの償却・非償却に関する議論の展望
2025年07月07日
日本経済見通し:2025年7月
25年の賃上げは「広がり」の面でも改善/最低賃金の目安は6%程度か
2025年07月22日
対日相互関税率は15%で決着へ-実質GDPへの影響は短期で▲0.5%、中期で▲1.2%-
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.2%減少
2025年07月23日
新たな相互関税率の適用で日本の実質GDPは短期で0.8%、中期で1.9%減少
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.7%減少
2025年07月08日