サマリー
◆国家統計局によると、2016年1月~3月の中国の実質GDP成長率は前年同期比6.7%と、2015年の前年比6.9%から低下した。2016年の政府年間目標である前年比6.5%~7%の範囲内とはいえ、減速が続いている。
◆2016年1月~3月の固定資産投資は前年同期比10.7%増と、2015年の前年比10.0%増をボトムに回復しつつある。特徴的なのは、全体の6割強を占める民間部門の投資が急減速する一方で、3割強を占める中央・地方の国有部門の投資が急増していることである。「国進民退」とは、景気テコ入れ策の恩恵が、国有企業に集中し、民間・中小企業が蚊帳の外に置かれることを指すが、こうした状況が鮮明化しつつあるのであろう。これは、中国経済の非効率性を助長する面があるが、その一方で、中国政府が危機感を持って景気テコ入れに取り組み、その効果が発現しているという面もある。
◆これまで比較的堅調に推移してきた消費はやや減速している。2016年1月~3月の実質小売売上は前年同期比9.7%増と、2015年の前年比10.6%増から伸びが低下した。消費刺激策としてその実施が期待されているのが、現在、北京市で先行している省エネ・省資源・排出削減製品への補助金支給の全国展開である。需要の先食いとの批判はあろうが、環境対策という大義名分もあり、全国展開のハードルはさほど高くはないであろう。
◆固定資産投資は不動産開発投資やインフラ投資が牽引役となり、底打ちから回復しつつある。消費については、消費刺激と環境対策の一石二鳥を狙った政策発動の余地がある。少なくとも内需については、ダウンサイドリスクは大きく低下し、景気底入れへの道筋が見えてきたのではないか。
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