サマリー
◆地方政府の2013年の主要経済目標をみると、成長率目標は2012年の目標より下げられたところが多いが、それでも中部と西部は固定資産投資を牽引役に10%以上の高成長を目指している。2013年の固定資産投資増加率目標を2012年から引き上げた地方が散見されるのは、要注意である。習近平・李克強政権の本格始動で新たな投資ブームが到来するとの「根拠のない期待」の表れの可能性があるためである。投資に過度に依存した経済成長は、既に投資効率の低下や製品の供給過剰問題の深刻化を招いている。今後は、老朽化し環境基準に満たない設備の淘汰を前提に、エネルギー効率が高く環境負荷の低い質の良い設備の導入、そして産業構造の高度化に寄与する投資が行われなければならない。
◆中国のユニット・レーバー・コストは上昇傾向にあり、特に2011年は大きく上昇した。地方政府が決定する最低賃金は、地域毎の大まかな設定はあっても、産業別の区別はなく、単一水準が適用されている。2015年までの第12次5ヵ年計画では、年平均13%の最低賃金引き上げが目標とされており、残念ながら、目標が先にありきで、労働生産性の上昇を十分に加味した設定は行われていない。迂遠な道のりになるかもしれないが、消費主導の持続的安定成長の実現には、労働生産性の向上に見合った賃金上昇が肝要である。地方政府が最低賃金を決定する方法は早急に改められる必要があろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
中国経済見通し:2026年4月は急減速
固定資産投資は再び前年割れ、小売売上は微増にとどまる
2026年05月26日
-
中国版「就職氷河期」への懸念
中国若年層の高失業率問題の構造要因、解決の決定打はない
2026年05月21日
-
米中首脳会談、余裕の中国と成果乏しい米国
トゥキディデスの罠、台湾問題、通商問題、イラン情勢
2026年05月18日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
いまさら人には聞けない 大量保有報告(5%ルール)のQ&A 【改訂版】
2024年金商法等改正法(2026年5月1日適用開始)を反映
2026年04月03日
-
検討進むガバナンス・コード改訂:2月案と4月案の相違点は
「解釈指針」は原則と一体という記述は削除。現預金への注目を避ける修文。
2026年04月10日
-
企業が意識すべきCGコード改訂案のインプリケーション
「金融資産」「実物資産」がコードに入った意味
2026年04月16日
-
日本経済見通し(2026年4月)
中東情勢緊迫による景気下振れリスク上昇で4月利上げは見送りか
2026年04月21日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
いまさら人には聞けない 大量保有報告(5%ルール)のQ&A 【改訂版】
2024年金商法等改正法(2026年5月1日適用開始)を反映
2026年04月03日
検討進むガバナンス・コード改訂:2月案と4月案の相違点は
「解釈指針」は原則と一体という記述は削除。現預金への注目を避ける修文。
2026年04月10日
企業が意識すべきCGコード改訂案のインプリケーション
「金融資産」「実物資産」がコードに入った意味
2026年04月16日
日本経済見通し(2026年4月)
中東情勢緊迫による景気下振れリスク上昇で4月利上げは見送りか
2026年04月21日

