サマリー
◆国家統計局によると、2013年1月~3月の実質GDP成長率は前年同期比7.7%と、ブルームバーグ社集計の事前予想8.0%を下回った。直近ボトムである2012年7月~9月の7.4%成長を上回るとはいえ、明確な回復感には乏しい。需要項目別の成長率寄与度は、最終消費支出4.3%、総資本形成2.3%、純輸出1.1%だった。
◆中国政府が懸念するのは「投資衝動」に駆られた地方政府が、期待収益率の低いプロジェクトを中心に固定資産投資を急増させるリスクである。3月1日の国務院弁公庁による不動産価格抑制策や、3月27日の銀行業監督管理委員会による銀行の資産運用商品の管理強化策の発表は、こうした地方政府の「投資衝動」に釘をさすことが目的の一つであろう。国家発展改革委員会が認可を与えた期待収益率が比較的高く、資金調達の目処の立ったプロジェクトはきちんと遂行するが、そうではない投資は抑制する方針が示されたのであり、これによって、固定資産投資の急減速が懸念される類の話ではない。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
米金融政策を占うジャクソンホール会議の注目点は?
市場が期待するほどの大幅な利下げの示唆は期待しにくい
2024年08月16日
-
ハリス氏はトランプ氏に勝てるのか?そして、米国経済の行方は?
トランプ氏の優勢は継続、トランプ・リスクの発現は議会選挙とトランプ氏の匙加減次第
2024年08月02日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
「国債買入減額」と「追加利上げ」が長期金利と経済活動に与える影響は限定的か
2024年7月金融政策決定会合で日銀は金融緩和の縮小姿勢を明確化
2024年07月31日
-
「適温」なドル円相場は130円台?
ただし10円の円高で実質GDPは0.2%悪化
2024年08月14日
米金融政策を占うジャクソンホール会議の注目点は?
市場が期待するほどの大幅な利下げの示唆は期待しにくい
2024年08月16日
ハリス氏はトランプ氏に勝てるのか?そして、米国経済の行方は?
トランプ氏の優勢は継続、トランプ・リスクの発現は議会選挙とトランプ氏の匙加減次第
2024年08月02日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
「国債買入減額」と「追加利上げ」が長期金利と経済活動に与える影響は限定的か
2024年7月金融政策決定会合で日銀は金融緩和の縮小姿勢を明確化
2024年07月31日
「適温」なドル円相場は130円台?
ただし10円の円高で実質GDPは0.2%悪化
2024年08月14日