中国:成長の“調整”に徹する中国政府

利下げのアナウンスメント効果を盾に景気刺激策は小出しに

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2012年06月20日

サマリー

◆5月の経済指標は、好転を確認できるほどの兆候は見られなかった。一部では中国政府の政策効果が景気鈍化をカバーしているようにも受け止められる。6月8日に3年半ぶりに実施された利下げは、金利設定の自由度を高め、預金者保護と融資拡大を両立し、景気下支えの大きなアナウンスメント効果となっただろう。この効果を盾に、中国政府は、消費刺激策などを経済成長の巡航速度の引き下げ(成長力の健全化)の微調整役として扱い、小出しにするだろう。

◆また、この調整局面を利用して、中国政府は金融市場の改革を着々と進めている。長期的な戦略であるが、中国が世界の覇権を名実ともに得るには、産業構造の転換と対外開放を前進させ、“中国企業の国際化”を図る必要がある。そのための土台作りと言えよう。足元の景気鈍化が鮮明になれば、間接的な企業活動の刺激策として金融市場改革速度は前倒しされる可能性もあろう。

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