韓国バリューアップ指数の日本への示唆

JPXプライム150指数との比較を中心に

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  • 金融調査部 研究員 谷 京

サマリー

◆2024年9月24日、韓国取引所は新たな株価指数である「韓国バリューアップ指数」の構成銘柄と選定基準を発表した。日本のJPXプライム150指数をモデルに開発されたという同指数は、資本効率性や市場評価といった企業価値に関する指標を銘柄選定基準にすることで、韓国株式市場の再評価および企業価値向上を目指すものである。

◆韓国バリューアップ指数の構成銘柄は、「5段階のスクリーニング」を経て選定される。銘柄選定に際して「資本収益性」と「市場評価」を重視し、ROE(自己資本利益率)とPBR(株価純資産倍率)を主要指標に採用した点は、JPXプライム150指数と共通している。他方で、業種ウエイトの偏りを避けるための相対評価や企業価値向上計画の開示・履行状況に応じた特例組入は、韓国バリューアップ指数独自の制度である。

◆韓国バリューアップ指数の今後の展開は、価値創造経営の浸透というコンセプトと投資家にとって魅力的な株価指数の開発をいかに両立させるかという課題を考える上で、日本にとって参照する価値があろう。

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