2024年04月25日
サマリー
上場会社を取り巻く状況が近年様変わりしている。デフレからインフレへの経済環境の変化に加え、企業価値の向上に向けた制度改正が行われ、ここ2~3年程度で上場会社に求める行動のギアが一段上がった印象である。言い換えれば、上場会社へのプレッシャーが大きくなっている。
東京証券取引所による「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」、「少数株主保護及びグループ経営に関する情報開示の充実」、経済産業省による「企業買収における行動指針」は上場会社に企業価値を高めることを促進させる制度改正と言えよう。これらの制度改正を援用して機関投資家、アクティビスト、上場会社はそれぞれの利益を追求する形で活動を活発化させている。
上場会社は対応しなければ、議決権行使を通じた経営層の解任や会社の経営権を奪われかねない事態へと発展している。非上場化の選択肢も含めて、改めて上場の意義を考えるべきである。上場維持のためには、企業価値向上に向けて歩を進めることが必須である。

大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
CGコードでの現預金保有の検証に対する上場会社の懸念
一見対立しているようだが、通底する投資家と会社側の意見
2025年11月07日
-
非上場株式の発行・流通を活性化する方策
「スタートアップ企業等への成長資金供給等に関する懇談会」が報告書を公表
2025年10月29日
-
親子上場などに関する開示議論の再開
不十分な開示状況に対して、開示項目の記載必須化に向けた議論も
2025年10月27日

