2023年01月23日
サマリー
米国におけるリテール金融のパラダイムシフトは既存のビジネスモデルの分解から始まった。「顧客にとっての付加価値の追求」と、「金融機関にとっての儲ける仕組みの追求」が別々の要素に分かれたのである。この2つの要素のバランスを調整するだけなら既存のビジネスモデルを修正すればよい。しかし、顧客の利益に反する不祥事等に起因して、規制強化が急速に進む中で、顧客本位の業務運営の必要性が高まった。その結果、顧客にとっての「付加価値の追求」に比重を移す、ビジネスモデルの大きな変革が必要となった。これに顧客ニーズ対応のカスタム化、パーソナル化を可能にするテクノロジーの進化が加わることで、リテール金融のパラダイムシフトが起きた。
大手証券をはじめとする米国リテール証券業界では、ここ10年で、金融商品を単品で売買するブローカレッジ中心の“フローのビジネス”から資産管理型中心の“ストックのビジネス”への移行が進んでいる。投資アドバイスがコモディティ化する中、顧客本位の業務運営に向けた規制の強化によって、ファイナンシャル・アドバイスの付加価値が高まっており、それがリテール証券業界のパラダイムシフトにつながっている。

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